第17話 時の庭園
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フェイトの右頬に当たり、フェイトを押し倒した。痛みの余り立ち上がれなくなったフェイトの前で、なのはを抱えた鎧甲冑達は地面へと沈み、遂には姿を消してしまった。
抱えていたなのはと共に……
「これでもう邪魔者は消えたわ。何をボウッとしてるの! 早くジュエルシードを集めて来なさい! もう邪魔が入らないのだから今度は全部集めてくるのよ!」
「は…はい……母さん」
俯きながらフェイトは頷いた。その時のフェイトの目には大粒の涙が零れ落ちていた。
だが、それを女性に見られないように必死に隠しながらフェイトは部屋を後にして出て行った。
部屋を出た所にはアルフが蹲り、同じように涙を流していた。
「アルフ…」
「あの女…酷い女だよ…フェイトをあんなに庇ってくれたあの子にあんな酷い仕打ちするなんてさぁ……」
アルフは肩を震わせて泣いていた。先の一部始終を見ていたのだ。自分は行く事が出来なかったのをなのはは身を挺してまでフェイトを庇ってくれた。
自分は何が出来ただろうか。使い魔である以上主には逆らえない。それが凄く悔しかった。
なのははそんなアルフの代わりにフェイトを庇ってくれた様な物だったのだ。だが、その結果はあれである。
時の庭園の地下牢獄で一生を過ごす。もうあそこに入ってしまえば二度と出られない。
それが彼女の運命だったのだ。
「アルフ……また、無理聞いて貰って良い?」
「あぁ、良いよ…何をすれば良いんだい?」
通路を歩きながら、フェイトはアルフの耳に小声で囁いた。そして、それを聞いたアルフの目が今まで以上に眩しく輝いたのは言うまでも無かった。
***
時の庭園の地下牢獄は丸い球体型の牢獄であった。壁一面が魔力結界で覆われており、その中では一切の魔法が使えない。その為閉じ込められたが最後、その結界を解かない限り牢獄からは出られないのだ。
その牢獄の中になのはは閉じ込められていた。
先ほどの痛みがまだ残っているのか、まだ立ち上がれないで居る。床に横たわったまま動けずに居たのだ。
それでも、意識は取り戻したのか徐々に目蓋を開いた。
「レイジング…ハート……私…」
【マスター、ご無理をなさらないで下さい。今の貴方はまともに動ける状態じゃないのです】
なのはの目の前に転がっていたレイジングハートが冷静にそう告げた。相変わらず機械的な音声だがなのはの身を案じてくれているのだ。意識がハッキリしてきたなのはが次に感じたのは背中の激しい痛みだった。つい先ほどまで鞭で打たれ続けていたその痛みが今頃になって痛み出したのだ。
余りの痛みになのはは誰も居ないのを良い事に声を出して泣いた。
目から大粒の涙を流して泣いた。レイジングハートは黙ってそ
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