第17話 時の庭園
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この子は言いつけを破った。悪い子にはお仕置が必要なの」
「だったら……」
なのはは何を思ったのか、首にぶら下げていたレイジングハートを手に持つ。
そして、小さな声でレイジングハートに語りかけた。
「レイジングハート…今持ってるジュエルシード、全部出して」
【いけませんマスター。そんな事をすれば大変な事態になります】
「お願い! フェイトちゃんを助けたいの! だから出して!」
【……】
なのはの強い要求に折れたのか、レイジングハートから5つのジュエルシードが姿を現した。なのははそれを女性に差し出した。女性の手には合わせて8つのジュエルシードが揃った事になる。
「私の持ってるのを全部あげました。だから…だからフェイトちゃんを許して下さい! お願いします」
なのはは必死になって願い出た。その姿をフェイトはずっと見ていた。何故其処まで出来るのだろうか。必死になって集めたジュエルシードをわざわざ自分の為に差し出すなんて何故平然と出来るのか。
この時のフェイトには理解出来そうになかった。
「…フェイト、つくづく貴方には失望したわ」
許して貰えると思ったなのはの耳に入ってきたのは思いもしない言葉であった。見れば女性は更に険悪そうな顔をしてフェイトを睨んでいた。
「これだけ時間を掛けて3つしか集められなかったと言うのに、こんな子供に5つも奪われていたなんて…貴方は本当にどうしようもない出来損ないよ! 一度徹底的に躾をしないと駄目の様ね!」
そう言い、女性は鞭を持っていた手を大きく振り上げた。長い鞭を撓らせて威力を高め、女性の腕の力に従い鞭がフェイトに迫ってきた。フェイトは覚悟を決めて歯を食いしばり、目を閉じた。
「駄目ぇ!」
だが、またしてもその一撃はフェイトには届かなかった。またしてもなのはが壁となってフェイトを庇ったのだ。その様に女性の険悪そうな表情は更に悪化した。
「其処を退きなさい! でないと、子供と言えども容赦しないわよ!」
「もう止めて下さい! フェイトちゃんをこれ以上傷つけないで!」
「口で言っても駄目みたいね……それじゃ望み通りにしてあげるわ!」
女性が狙いをなのはに絞り更に激しく鞭を撓らせた。唸りを上げて迫り来る鞭がなのはの背中に叩きつけられる。その度になのはの体は大きく仰け反り、顔からは苦痛の表情が浮かび上がり、口からは悲痛の声が上がった。
その光景を見ていたフェイトは居たたまれなくなってきた。自分の為に彼女が此処まで苦しんでいる。本来なら自分が受ければ良い罰を彼女が変わりに受けている。それがフェイトには溜まらなく辛かったのだ。
「もう良い。もう良いから! もう私から離れて! これ以上私を庇わないで!」
「い…嫌だ…よ……だって、フ
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