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スーパーヒーロー戦記
第17話 時の庭園
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後追撃部隊としてやってきたのは大空を飛び回る機械獣軍団の姿であった。
 信じられなかった。今まで機械獣は大地を主としていたのだ。それが何時しか大空を自在に飛びまわれるようになっていた。もし、あれだけの機械獣が日本に攻め入ったならば、最悪の光景が目の当たりになるだろう。
 それを考えるとなのはは背筋の凍る思いがした。思わず身震いしてしまう。

「ほら、ぼうっとしてないで歩く歩く」

 そんななのはの背中をアルフは叩いた。本人からすればそれは「急げ」と急かす為に行った行為なのだろうが、今のなのはにとっては緊張を解す良いきっかけとなってくれた。
 そうして、フェイトの後に続きなのはは時の庭園と呼ばれる建造物の中を歩いた。
 見れば見るほど不思議な佇まいだった。何処と無く西洋を思わせる作りはしてあるが、決して古臭くはない。しかも、作られ方に違和感を感じられた。まるで、人の手で作られたのではない作りをしていたのだ。
 それが何を意味しているのかはなのはには分からない。只、そう思えたのだ。
 っと、突如目の前のフェイトが足を止めた。何かと思いながら見ているとくるりとフェイトは振り返りなのはを見る。

「此処で待ってて。母さんと話をしてくるから」
「う、うん!」

 なのはは強く頷いた。その後、後ろから現れたアルフに「うろちょろするんじゃないよ」と釘を刺されたのもその時だ。
 うろちょろしようにもなのははこの建築物の地理が全く無い。それにこれだけ広いとなると確実に迷子になる。そうなれば下手すると本当に甲児達の元へ帰れなくなってしまう危険性がある。
 此処は下手に動かずじっとしている方が良さそうだ。だが、だからと言って「はい、分かりました」と素直に従えるかと言われればそれは無理と言える。こんな不気味な建物の中一人で取り残された時、幼いなのはの心の中に芽生えるのは異様な恐怖感だった。
 見慣れない風景や建物。その中で一人ぼっちとなり、背後からは自分を狙って牙を尖らせる異形が息を殺してチャンスを伺っている。
 ドラマの見過ぎとも思われるだろうが、実際この年齢ならば確実に持つであろう恐怖心だ。現になのはは一度恐ろしい目にあった。その後で此処で待ってろと言われて果たして待ってられるだろうか。
 嫌、待てなかった。怖かったのだ。一人でこんな所に居ると言う恐怖心に勝てなかったのだ。
 すると、なのはの足は自分の意思とは関係なくフェイト達の歩いていった方へと進んでいた。
 頭の中では「進んじゃ駄目!」「止まって! 止まってよ足!」と念じているものの、体は全く意に反して動いている。似た様な風景がどんどん前から現れては後ろへと消えていく。そんな光景が幾回も続いた後、見えてきたのは先ほど入ったのと同じ巨大な二枚扉であった。
 相変わらずデカイ。やは
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