第2話
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、いえいえ、元気で宜しいですね」
白髪ウェルは微塵も気にしていない。
寧ろ、微笑ましく響の事を見つめていた。
彼は続けて言う。
「世界がこんな状況だからこそ僕たちは英雄を求めている!そう―」
穏やかな表情から一転して、狂気に等しい表情となる。
「−誰からも信奉されるっ!偉大なる英雄の姿をっ!!」
「アハハ、それほどでも〜」
反省しているんだよな、響?
こんな風に響は浮かれているが、クリスと安里は訝し気な顔で白髪ウェル博士を見つめていた。奇遇だな二人共、私も訝しむ顔をしているぞ。
「皆さんが守ってくれた物は、この僕が、必ず役立ててみせますよ」
「不束なソロモンの杖ですが、どうぞよろしくお願いします!」
「頼んだからな」
「頼んだぞ」
響とクリス、そして私は、白髪ウェルの発言にそう応えた。
こんな胡散臭い男にソロモンの杖を託すのは遺憾だが、これでも優秀な博士と二課は言っていたからな。
役立てなければ、私が管理してやる。
管理局だけに!……寒いな。
「では、僕はこれにて」
ウェル博士は軍人と共に、基地内へと向かっていった。
かくいう二課一行も基地の門へと歩を進め、やがては門を通過し基地外へと出た。
門を通過した頃、1機の軍用ヘリが基地から飛び去った。
「無事に任務も完了だぁ、そして…」
クリスはニヤリっと口を三日月に変えた。
「うん!この時間なら翼さんのステージにも間に合いそうだ!」
楽しみでしょうがない響。
1分でも早く、行きたくてしょうがない。
彼女はうずうずとしていた。
響を呆れたように見つめていたクリスも、楽しみで仕方なかった。
そんな様子を微笑ましく見守っていた安里は、口を開いた。
「みんなが頑張ってくれたから、司令が東京までヘリを出してくれるみたいよ」
「マジっすか!」
響が喜んだ瞬間、突然基地から爆発が起き、大型のノイズが出現した。
タイミングピッタリ過ぎる。
「マジっすかぁ…!?」
二度目。
だがその気持ちは分かる。
大型のノイズが現れたのだからな。
「大マジだ、大急ぎで行くぞ!」
安里をその場に残し、響とクリスは急いで基地へと向かう。
私は安里を守る義務がある為、行くことは出来ない。二人共、すまんな。
こうして、響とクリスが基地に着いた時には大多数の軍人は炭化しており、基地も滅茶苦茶となり、ウェル博士とソロモンの杖が行方知れずとなってしまった。
〈ヒルデコピー2SIDE(三人称含む)〉
「そうか、白髪ウェルとソロモンの杖が行方知れずとなってしまったのか
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