第16話「その役目は私が引き受けよう」
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…すまない、わざとじゃないんだ。
躓いてよろめきそうになったから、手を伸ばしたのだが…まさか拳を力強く握り、勢いよく突き出すように前に出てしまうとは思わなかったんだ。
…だからどうか、翼も奏もクリスも私を殴らないことを願う他無い。
地球に向かってきている月の欠片問題を解決するから、どうか見逃して欲しい。
私は我が管理局技術部によって開発された【機械仕掛けの翼】を顕現させ、背中へと装着と展開をした。
これは空中飛行は勿論のこと、なんと宇宙空間をそのまんま飛べることが出来て、月面軌道まで行ける優れもの。しかし、月まで行けないことには悔やまれるし、稼働時間が一時間ちょっとだけ、…改良の余地有りだな。
響達のほうへと振り返る。
「その役目は私が引き受けよう。お前が、響が行く必要は無い」
私が持つ秘密道具とカウンターサイドの力があれば解決だ。
だから安心してそこから見守ってほしい。
「まさか、・・・ヒルデ!?」
さて、行ってこようか。
…いや、皆、そんな顔しなくてもいいじゃないか。
何故泣いているんだ?死に逝く訳でも無いのに。
「ヒルデさん…いやですッ、行かないで…!」
『ヒルデさん…いやですッ、逝かないで…!』
逝かないよ響。死に逝く訳でも無いのに…。
「…行ってくる」
私はそう言い残し、地から少しずつ浮遊し空中飛行に移り、やがては空へ羽ばたいた。
よかった、飛べている。
「ヒルデさぁぁああぁぁぁんッ!!」
響の声が遠く聞こえいく。
だからそんな悲壮な顔をしなくてもいいじゃないか、死地に向かう訳では無いのに。
私はそのまま雲を突き抜けていく。
飛行機が飛ぶ高度を超えた辺りで私は【食用宇宙服】を服用。
一見すると中身は錠剤であるが、これを食べると体の中で酸素が作られて、外側に膜ができ、宇宙服を着たのと同じ状態となる。
本当に不思議だ。たったこれだけで宇宙空間を生身で行けるのだから。
飛行を続け、やがては地球の重力より開放された私は軌道上を超えて宇宙空間へと辿りつき、背後に浮かぶ存在へと振り返る。
「(あぁ、地球は丸かった)」
一度口に出して言ってみたいがそもそも宇宙空間で声を出さる筈も無い。…出せてしまった。
そういえば劇場版の何処かのシーンで、そのような場面があったな。
さて、月の欠片を何とかしないとだな。…作戦内容はこう、だ。
【地球破壊ミサイル】を使って月の欠片を破壊する。【地球破壊爆弾】のミサイル版であるコレはそのまんまの意味である。後者と違い、威力は劣るが月の欠片であればギリギリ破壊は出来る、筈だ。
成功した場合、これは着弾した
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