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今度こそ、成し遂げてみせる【未完】
第16話「その役目は私が引き受けよう」
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さな風が吹く。
 それは必殺の一撃では無く只、コツンっと。

 響は了子の言葉に頷きながら、その拳を下した。

 「どこかの場所、いつかの時代、甦るたびに何度でも。私の代わりにみんなに伝えてください」

 そう語る響の表情と明るくそしてお願いする声音は二課や装者、トリオ友人に未来、そしてヒルデなどが知る同じ笑顔で元気一杯な声音であった。

 「世界を一つにするのに、力なんて必要ないってこと。言葉を超えて私たちは一つになれるってこと。私たちは、未来にきっと手を繋げられるということ。私には伝えられないから、了子さんにしかできないから」

 「…お前、まさか」

 了子は何かを察した顔をする。

 「了子さんに未来を託すためにも、私が今を守って見せますね!」

 響は確固たる決意をもって、曇りなき笑顔を向けた。

 「……ふっ、本当にもう。ほうっておけない子なんだから」

 了子の顔は、とても優しい笑みだった。
 優しい笑みを浮かべた彼女は響の胸に指を当てて、最期の一言を遺した。ーー胸の歌を、信じなさい。

 フィーネであった櫻井了子の体は、灰となり、風に舞い散らした。

 長い付き合いだった弦十郎に翼そして奏は涙を堪え、二課オペレーターである安里あおい、1番に付き合いクリスは涙を流した。

 そして現在、二課オペレーターである藤尭が、落下してくる月の欠片の計算を終え、この場に居る全員にそう報告した。

 その言葉を聞いたこの場に居る人々全員が月の欠片を見上げる。

 「あんな物が落ちたらッ…」

 「私達もうッ…」

 「世界の終わり、か」

 それぞれが絶望に暮れる中、一人の少女が前に出た。

 「響?」

 少女の名は、立花響。
 小日向未来の親友で、ガングニールを纏いし少女でもある。
 
 誰よりも先に響の意図に気づいた未来が呼びかけ、未来の声を聞いた響は歩みを止めて振り返る。
 振り返った響は覚悟を決めた顔をしており、その佇まいは一人の戦士のソレであった。

 その時である。人々の中から、また一人の少女が前に出たのだ。

 「おい、響、ちょっといいか?」

 「え?何ですか、ヒルデさん…」

 戦術礼装を身に纏う彼女の名は、ヒルデ。
 彼女は一体何を思って前に出たのかは、本人のみぞ知るところであった。


 第4.0話 その役目は私が引き受けよう(腹パンしてすまない)...
 〈ヒルデSIDE〉

 「え?何ですか、ヒルデさ…がはっ!?」

 響がきょとんとした瞬間、響の腹部をうっかり殴ってしまう。
 腹部を殴られた響は力なく私にと倒れこんだ。

 そっと、響を地面へと横たらせる。
 響の顔には、驚愕が浮かんでいた。


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