第14話「陽だまりに翳りなく」
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ろうこの商店街は現在は怖いくらいに人々や賑わいが無く、有るのは乗り捨てたであろう車、逃げる際にその場に置いたであろう買い物袋(色々)。そして……逃げる事が間に合わずノイズより炭素化された人達が。
「はっ、はっ、はっ、ふっけほっ、はっ」
商店街を走り抜けた彼女はその場で息を整えようとするが不安定な息づかいが続く。
「はぁはぁ、ゴホッけほっ、ふぅ。ッ!アタシの所為で関係無い奴らまでッ!?」
悲壮な雰囲気を纏いながら、クリスは天に向かって叫び声を挙げる。
「うわぁぁアアッ!!あっ、あっ、あうぅ」
クリスはガクリと地面へと膝をついた。
それと同時にクリスの目から涙が出始め涙は留まることを知らず次々と流れ出て地面へと落ちていく。
「アタシ、アタシがしたかった、のはっこんなことじゃないッ。……けどいつだって私のやる事は……いつもいつもいつもッ!?」
間違っていたんだ。自分がやってきたことは、平気で犯罪を犯し、平気で故郷を蹂躙する汚い大人と、何ら変わらない損座なのだと。
「ううっ〜ああぁッ」
両手を地面に置いて頭を垂れる。…懺悔するように。
「(あぁ、今ならフィーネとバカ女が言っていたことは理解出来た。認めるよ、アタシのこんな方法では、結局は火種を作って新たな犠牲を出すだけだってな。アタシは罪深い女だ)」
彼女がふと周りを見る。
クリスはノイズたちに取り囲まれていた。
彼女は立ち上がる。
「アタシは此処だぞ…関係の、関係の無い奴らの所にいくんじゃねぇ!」
ノイズに向かって睨みながら叫んだ。
もしもこの場に、この発言を聞いている人が居たら怒るだろう。いや、殺意を向けるかもしれない。
ーーーその口でよくもまぁ。
ーーー大切な人を奪った癖にッ。
ーーーどれだけの人を巻き込んだと思っているんだ。っと。
全くもってそのとおりだ。
だがクリスは思うのだ。
一度行い染めた罪は簡単には消えやしないし、失ったものは帰ってこない。だけど己を責め続ける”それ”はそれ以上に『今』を生きる大勢の人を侮辱する行為に他ならない。
それでも、だ。
人の為に助けたい、と想う今のクリスの言葉は態度も気持ちも、嘘偽りはないのだ。
クリスの叫びに反応したのか、増援と思われるノイズの群体も商店街を通ってやって来た。
集結したノイズから攻撃がやって来る。
クリスは攻撃を最低限の動きで避けながらシンフォギアを纏おうとするが、詠唱中にせき込んでしまう。
隙が生まれてしまい絶体絶命に陥るクリス。
空からノイズが突撃してきたが陥ることは無かった。何故ならば…【彼】がやってきたからだ。
「ふんッ」
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