第14話「陽だまりに翳りなく」
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だが未来は苦笑いをし、やがては口元を抑えながら笑った。それを見たクリスは釣られて笑った。暗かった雰囲気が明るくなったのだ。
「あ、そういえば…悩んでた時に相談に乗ってくれた人が居たんだよね?その人はどんな人なの?」
「あ?そいつの名はヒルデだ」
「あぁー!私も知ってる!」
その後、二人は共通の話題で盛り上がったとかならなかったとか。
話のキリがついて、お互いに名前を言った。
そして・・・
ブゥ〜〜〜ゥウン ブゥ〜〜〜ゥウン
街中に警報が鳴り響いた。
――――――――――――――――――――――――――――
未来は気遣ってくれたクリスに感謝する。
「優しいんだね、クリスは。私は小日向未来。もしもクリスがいいのなら…」
未来はクリスの手を、優しく握る。
「あっ…」
「…私は、クリスの友達になりたい」
未来のその言葉に、クリスは驚くが背を向けて直ぐに顔が暗くなる。
「…アタシは、お前たちにひどいことをしたんだぞ」
「…えっ?」
二人の中に少しの沈黙が流れた……。
たった今放たれたその一言には、どういう意味があるのか、未来は問おうとする。
その時だ。ーーー窓の外から警報が鳴り響く。
「「ッ!?」」
未来はクリスとそして店主の女性と外に出て避難することを提案する。店主は力強く頷き、クリスは何が起こっているのか戸惑っていたが此処に居るのはまずいと判断し提案に従った。
三人は急ぎ足で店を出た。…そして見た。
「キャーっ!?」
「は、早く避難所へ向かうぞッ」
「うえぇぇぇえんッ」
老若男女関係無く、人々は我先にと避難所がある方向へと駆けていた。
「おい、一体何の騒ぎだ?」
「何ってノイズが現れたのよっ?」
クリスのこれは何事だという反応には、未来は本気で驚いてしまった。
だが無理も無い、彼女が【あの日】より送ってきた人生は辛いことばかりであったのだから。彼女は知らないが《ノイズ》出現を知らせる警戒警報であり避難勧告の知らすものでもある。
これを未来より知らされたクリスは苦虫を噛み殺したような表情を浮かべ手に力が入る。
未来は避難所へ早く向かおうと店主に促して次は彼女へと促そうとするが…、
「あ、クリスッ」「クリスちゃんッ!」
未来と店主は驚いた。
なんとクリスは避難所がある逆方向へと駆け出したのだ。
クリス自身も驚いているがそれでも走るのを止めることは無かった。
彼女は走る。向かうのは、ノイズが発生したであろう場所へと…。
いつもは大勢の人々がやって来て賑わうであ
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