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今度こそ、成し遂げてみせる【未完】
第14話「陽だまりに翳りなく」
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 「私、自分なりに覚悟を決めたつもりでした。守りたい物を守る為シンフォギアの戦士になるんだって。…でも駄目ですね〜っ。小さな事に気持ちが乱されて何も手に付きませんでした。ノイズと戦う時だって翼さんや奏さん、ヒルデさんの足手まといにも有りましたし。私、もっと強くならなきゃいけないのに、変わりたいのに…はぁ」

 「その小さな物が立花の本当に守りたい物だとしたら、今のままでもいいんじゃないかな」

 響は翼の方へと向く。翼は言った。

 「立花はきっと立花のまま強くなれる」

 「翼さん…」

 「奏のように元気付けるのは難しいものだな」

 翼は少し照れた顔をしたが励まそうと努力したのを見て響に笑顔が戻り始める。そして言う。

 「そんなことはありません、前にも此処で同じような言葉で親友に励まされたんです。それも私はまた落ち込んじゃいました。駄目ですよね〜」

 そう言った後、響は空を見上げる。表情は既に暗く無く、明るい表情へと変わり始める。

 同時刻、ふらわーにて

 クリスは自分が着ていた服が乾いたと聞き着替え、現在は終えたところであった。

 「喧嘩か〜、アタシにはよく分からない事だな」

 「友達と喧嘩したこと無いの?」

 「友達居ないんだ。地球の裏側でパパとママを殺されたアタシはずっと一人で生きてきたからな。友達どころじゃ無かったんだ」

 未来は顔を伏せた。

 「たった一人理解してくれる人もアタシを道具のように扱うばかりだった。誰もマトモに相手をしてくれなかったのさ」
 「大人はどいつもこいつもクズ揃いだ。痛いと言っても聞いてくれなかった。やめてと言っても聞いてくれなかった。アタシの話なんてこれっぽっちも聞いてくれなかったッ」

 クリスは叫びたい思いで話した。

 未来は申し訳無い気持ちになった。この一言だけで自身も悲しい思いになり、何よりもこの少女に辛い思い出を引き出してしまったことに申し訳が無かった。

 「ごめんなさい」

 未来は謝った。

 「でもな、こんなアタシの事を悩んでくれて相談に乗ってくれたヤツが居たんだ。だからと言うべきか、死にたいって思っていた自分が馬鹿らしくてな。だからっ、そいつの為にも何か恩を返すまでは死ねないって思った」

 「それに…」
 
 「そ、それに?」

 「唯一の理解者だと思ってたあの女はソイツと一緒にぶん殴ってやるって決めてんだ」

 だからっとクリスは続けて言う。

 「だからよお前、その喧嘩の相手ぶっ飛ばしちまいな。どっちが強いのかハッキリさせたらそこで試合終了だ!そして仲直り、そうだろう?」

 クリスは自信満々な顔でそう言った。

 今までの暗い雰囲気は何処に行ったのやら。
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