第14話「陽だまりに翳りなく」
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
苛立ち、立ち上がり勝手な事をした未来にこう言った。
「何を勝手な事をッ!…ん?」
「はっ…かぁ///」
未来は顔を紅潮させた。何故ならばクリスは下着を履いていなかったのだ!いやこれは未来は悪くない。そもそもクリスは路地裏で倒れた後、此処で未来に介護されていた際、未来は「びしょ濡れはアレだから」と体育の授業で使う予定だった体操着に着替えさせたが下着までは持っていなかったからだ。だからまぁ〜結果的にというかクリスも【その】違和感に気がつく訳で・・・
「なっ!、なんでだ!」
「あ、あっ流石に下着の替えまでは持っていなかったからッ///」
未来程では無いが恥ずかしい思いをしたクリスは直ぐに体育座りをし布団を被り、覆った・・・顔は出ているが。
「未来ちゃん。どう?お友達の具合は?」
「さっき目が覚めたところです。すみません突然押しかけて部屋と布団を貸してもらって……」
「気にしなくていいんだよ。あっ、あなたのお洋服洗濯しておいたから」
「あ、私、手伝います」
「ありがとう、未来ちゃん」
クリスはこのやり取りに戸惑う。ここには無償の優しさがあふれているからだ。それともうひとつ戸惑うことが・・・「え、え?下着は??」
その後、なんやかんやあって未来とクリスは和解と少し話が出来る仲へとなった。
そして未来がクリスが着ていた体操着を一度脱がせて背中の汗を濡れたタオルで拭き始める。身体に残る痣が痛々しい。
しばらく、場が静寂に支配される。
クリスを助けてくれた少女、未来は、何も聞いてくることもなく、ただ黙々と看病を続けている。
「何も、、聞かないんだな・・・」
沈黙に耐えきれず、クリスの方から口を開く。
客観的に、他人視点から見れば、大雨の中で傘を差さずに倒れてる人間なんて、怪しい以外の何者でもない。それなのに何も聞いてこようとしない。それが、何よりも不可解だとクリスは思った。
「うん」
未来は苦笑いをして手を止めず話す。疑問に思われていたことに対しての・・・
「私は、そういうのは苦手みたい。今までの関係を壊したくなくて…なのに一番大切な物を壊してしまった」
クリスは黙って聞いていた。今までなら自分以外の事なんて気にもしていなかったから。
でも今は・・・
「それって誰かと喧嘩したって事なのか?」
クリスは素直で率直な疑問を口にした。彼女程の少女が喧嘩をするとは思っていなかったからだ。
「うん」
同時刻、天気は晴れとなっていた。休憩時間となった響は屋上で黄昏れていた。そこへ青髪のポニーテールをした少女、翼がやってきた。二人は座る。響は語りだす。語るのは【守りたい物】
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ