第14話「陽だまりに翳りなく」
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〜リディアン学園寮〜
ーピピピッピピピッピピピッー
窓より照らさる心地よい日の光は今日はやって来なかった。
アラーム音が聞こえ二段ベッドから黒髪のショートポブの少女が目を覚ました。
「・・・」
枕に埋めた顔をヨコにし、もう一度、顔を埋めた。少しして、彼女はベットから降りて離れて思いつめた顔をしていた。辛いことや大変なことがあってとても落ち込んでいる様子、悩んでいる様子だ。
彼女は窓際の机にある一枚の写真の写真立てを手に取り見た。
そこには幼い頃の彼女と【親友】の少女が居た。
とても元気だった。親友の少女とは幼い頃より一緒に居た。
朝起きて見たら元気を貰える。
朝起きて語り会うと元気が貰える。
でも、今日は、そんな元気な様子では無かった。
彼女は思った。あぁ、あの時からだっと。
ー親友が【何か】抱えていたのは分かってた。でも、なんでっ 相談に乗ってくれなかったの?私では駄目なの?私達は親友の筈でしょ?ー
ーそうでしょう?響ー
複雑な思いの中、少女、未来は無言で制服に着替え始める。
そんな彼女を、ベットにヨコになって寝て居る茶髪の少女、響は目を開けて背を向けて壁際の方に向けていた。
(未来が起きたんだ)と気配で確認した。
この少女も、心の中で悲しみにくれていた。悲しみの波に襲われ胸を痛めていた。
彼女達の心情を映すように外は、、朝なのにも関わらず雲で暗く閉ざされ雨が強く降っていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
大粒の雨が激しい音を立てて地面を叩き、霧のように飛沫をあげる。アスファルトを殴りつけるような雨の中、誰も居ない商店街の中でクリスはノイズから逃げていた。
「ハハハっ、やっぱ、キツイなッッ」
クリスは自笑にも似た笑いをして言い、落ち込んだ顔つきをして辛そうに悲しみながら地面を蹴り走った。その最中、ノイズより距離を取れた彼女は路地裏へと入った。
彼女は路地裏に隠れ、壁に背を預けて自分が何故こうなっているかの経緯と【彼女】について振り返っていた。
〜回想中〜
始めて会った時は驚いた。印象も強かった。銀髪の、まるで異世界から来たかのような雰囲気をした少女だったからだ。表情は無かったとはいわないが表情の希薄は濃くは無かった。
だけど、あの時は心から楽しかったと言える。
次出会った時は、迷子の兄妹の世話を仕方なくやった時の後だ。あの時は久しぶりに出会ったからか気分が高揚していたがヒルデは用事があると言っていたので少し落ち込んでいると言葉を掛けてきた。
『お前の中に迷いがあるのならば、ソレをそのままにしておくなよ。大切なのは歩み寄る努力だ』
すべて分かっ
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