第13話「腹が空いたな」
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外に出て夜飯を食べた後、帰ってきたら再度風呂に入るからだ。まぁ、仮に洗濯機に入れたとしても、此処の棚にはバスタオルが多くあるのだから、特に問題はないのだが。
最後に濡れた髪をアイロンで掛ける。アイロン最高。
ーーー5分後ーーー
サッパリしたな♪
さて、では外に出る準備をするか。
いつもの服装をして下衿にフェンリルの銀エンブレムを付ける。
持ち物は財布にウォッチにスマホにスペアポケット。
準備は出来た、行くとしようか。
ーーー夜の繁華街ーーー
私は繁華街へとやってきたが見慣れた顔が見えた。…クリスだ。
クリスは男の子と女の子に手を取って歩いていた。…なんだろうか?
「父ちゃんっ」「パパっ!」
兄妹はクリスの手から離れ、父親らしき人物と遭遇し駆け寄る。
クリスは迷子の兄妹の世話をしていたのか。
お姉ちゃんとして務めを果たしたんだな、クリス。…私はそんな歳では無いが。
ラーメンでも食べるとするか。
…いや、そもそも【ヒルデ】はラーメンを食すのか?
そもそも【ヒルデ】は何を食べているんだ?
う〜ん、分からん。全く分からん。
まぁでも折角だ。食べてみるとしよう、予定通りラーメンを。
「ヒルデっ!」
…夜飯を食べたい。
だが、声を掛けられてしまった。
「クリスか」
「久しぶりだな!」
笑顔で話しかけるクリス。
その笑顔の裏では何を考えているのか…もしや私を!
私は戦慄した。街中だぞ?いや、街中以外でも駄目なのだが。
流石に某森林公園での戦闘時(私以外)、私の位置が分かったのも私が居たのが気づいたのもきっと気の所為だから深く警戒しておく必要は無いだろう。
無論、警戒は続けるが。まぁ、櫻井了子よりは大丈夫な筈。
しかし笑顔をしているが暗い雰囲気を纏っているな、クリスは。…
よし、離れよう。嫌な予感がする。
「すまないが、私は急いでいるんだ。またいつか会えたら話し合おう」
「あっ、あぁ、そう、だな…分かった。またいつかな」
コイツと一緒に居たらフィーネとかいう女に出逢う可能性があるからな。
そもそも奴とコイツはグル(仲間)の筈だ。あの時、奴がクリスに『あなたは必要無い』と言っていたのは、茶番の可能性がある。
「悪いな。用事があるんだ」
「そ、そうだったん、だな」
拉致るなよ?
キルするなよ?
だからそんな顔をするな!
私はクリスから背を向けた。
あぁ、そうだ。これを言っておかなければ…。
背を向けながら顔を少しクリスの方へ向けて言葉を掛ける。
「お前の胸の内にある迷いがあるのな
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