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星河の覇皇
第八十七部第三章 港の整備その七

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「そうなればだ」
「新天地が独立してしまうことも考えられますね」
「かつての植民地の様にな」
「帝国主義時代に得た」
「あの独立はエウロパの栄光を奪った」 
 彼等が言う大航海時代からのそれをだ。
「二度の世界大戦による欧州の弱体化もあったが」
「それ以上にですね」
「そうだ、その弱体化に伴いな」
「植民地への統治が弱まり」
「そしてだ」
「アジアやアフリカの植民地が独立しました」
「中南米はそれ以前からだった」
 スペインそしてポルトガルが植民地にしていたがナポレオン戦争以後宗主国の弱体化が進みそうなったのだ。
「そうしてだったな」
「植民地を失い」
「我々は力を失った」
「そのことを見ればですね」
「そうだ」 
 まさにとだ、モンサルヴァートはタンホイザーに話した。
「我々はな」
「新天地を植民地とです」
「エウロパの本領としてな」
「そうしてですね」
「暗黒宙域を跨いだ二つの領土の中央であるな」
「暗黒宙域にですね」
「その中心にだ」
 まさにそこにというのだ。
「新首都を置かれる」
「そうもお考えですね」
「閣下はな」
「そこまでお考えですか」
「新天地は何の為にあるか」
 モンサルヴァートは核心を問うた。
「一体」
「はい、エウロパの発展の為です」
 タンホイザーは即答で返した。
「まさに」
「そうだな、ではだ」
「その新天地に独立されては」
「何もならない」
「だからですね」
「首都、統治の頭脳であり心臓をだ」
 その場所をというのだ。
「あえてだ」
「移されて」
「そしてだ」 
 そうしてというのだ。
「これからのエウロパをな」
「治められるのですね」
「そうお考えなのだ」
「先の先まで読まれていますね」
「あの方はな、そしていよいよな」
「新たな港と基地を置き」
「進出する」
 その暗黒宙域にというのだ。
「いいな」
「ではこれより」
「卿は宇宙艦隊司令長官としてだ」
 この役職にある者としてというのだ。
「働いてもらう」
「承知しました」
 タンホイザーはモンサルv−トにエウロパの敬礼で応えた、右手を斜め上に掲げ踵を付けるローマの敬礼である。
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