第9話
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ーー夜ーー
寝に静まっているこの夜、とある一軒家の一室でもベットに寝ている人物がいた。
プルルルっプルルルっプルルルっ(着信音)
「…ZZz‥ん」
白髪とも見え銀髪とも見える長髪の少女が、規則正しい寝息を立てて気持ちよさそうに眠っていた。
彼女の名はヒルデ。訳あってこの世界に転移転生した人物。
頭を預けている枕の隣には携帯端末スマホがあり、着信音の発生源は此処からのようだ。
ぐっすりと眠っていたヒルデは着信音で起きたようであるが、完全に起きたという訳では無いよう。
朧気な意識の中でヒルデは、枕の隣に置いてあるスマホを手に取って着信を受け入ける…ことは無く、その逆であった。
なんとヒルデは着信拒否を押し、再び眠りについたのだ。
彼女は前世より眠りの最中に電話が掛かったら、着信を拒否する癖があった。
次に二度目がやって来たがこれもまた着信拒否。
三度目の着信がやってきても着信が来てもまた着信拒否。
コレには向こう側は心配が。
コレには睡眠の邪魔をされたヒルデはイライラ発生し、青筋いっぱいに。
四度目の着信が掛かり、いよいよ我慢の限界だとばかり、ヒルデは毛布を乱暴に退かした直後に四度目ともなる着信を遂に受け入れた。
「…もしもし?」
ヒルデは睡眠を妨げてくれた輩へと、殴りたい想いでいっぱいであった。
しかし、その想いは直ぐにでも消滅する。何故ならば…、
『ヒルデ君ッ、よかった。しかし何故、着信拒否をしていたのだ?』
そう、何故ならば、たった今の着信は【彼の組織】からの電話であり、しかも二課より渡された専用通信機。
更に、である。
「風鳴司令官か、どうした?」
声の主は二課を束ねる長、風鳴弦十郎だった。
ヒルデは一気に殴りたいという想いを消滅させた。変わりに引き攣った笑みとなっている。
なんてことを考えてしまっていたのだ、自分は。
ヒルデが引き攣った笑みをしているのには、当然に理由がある。
前置きが長くなるかもであるが、まず弦十郎の屋敷に招かれたのだ。
招かれた理由を聞くと『実力を見せてくれ』と返事を貰った。
ヒルデは軽くではあるものの困惑する中、『勿論、本気でだぞ!さぁ、かかってこい!』と彼より仁王立ちを崩さず言い放たれ、彼女は困惑の色をより強くしていた。
いくら二課の長といえど、いくら大男かつ鍛えられた身体つきであれど、流石に不味いのでは?、と。
だがそれは一瞬にして変わり、強制的に入社させたこの存在を叩きのめすことが出来るチャンスなのでは? と内心にて悪い笑みを浮かべて、内心の想いを出さず承
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