第16話 救出!バードス島
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焦っては駄目よ甲児君」
「……分かりました」
流石に其処まで言われたら言い返せないのかすっかりしおれてしまった甲児が其処に居た。
「元気を出せよ甲児君。まだなのはちゃんが死んだ訳じゃないんだ。必ず助け出せるチャンスは来る」
「リョウ君…あぁ」
竜馬に励まされるのだが相変わらず元気がない。まるですっかり気が抜けてしまっていた。何時もの甲児らしからぬ現状だ。
「お前さん随分あのなのはって子に入れ込んでるみたいだな?」
「そんなつもりじゃねぇよ。只、アイツを見てると何か弟か妹みたいに思えてよ。何故か放っておけなくなっちまってさ…」
甲児にとってなのははシローと同じ様な存在だったのだ。例え血の繋がりがなくとも、自分を頼ってきて来るその姿を見たらどうしても助けたく思えて仕方ない。
それは弟のシローでも同じ事だ。兄としての本能なのであろう。
「とにかく、今俺達に出来る事は次の出撃に備えて万全の態勢になっておく事だと思うよ」
「本郷さんの言う通りだ。こんな時だからこそ疲れてる者は少しでも眠っておいた方が良い。甲児君とユーノ君は少し寝るべきだ」
ハヤタの意見に二人は勿論反論しようとした。だが、その意見もハヤタのひと睨みで掻き消された。
初めてだった。あのハヤタがあそこまで怖い顔で見たのは。
その顔で見られた二人は肝を潰されたかの様に黙って頷いた。
「ユーノ君、後悔している気持ちは分かる。だけど、そんな気持ちでは救える命も救えなくなってしまう。今は君の体を考えるんだ」
「はい…」
ハヤタは聞かれずとも理解していた。ユーノが心の奥で激しく自分を責め続けていた事を。
あのまま放っておけば、きっとユーノは単独でなのはを探しに行った筈だ。そうなっては返って彼の身も危ない。
そんな事をさせる訳にはいかない為の処置でもあった。仕方なく甲児とユーノはアースラ内に設置された自室に入り其処で少しの間眠りにつく事にした。
その間、残ったメンバーは機体の整備を行ったりレーダーの監視を行ったりしていた。
絶対に見つけ出す。そして助け出す。
皆が同じ思いを胸に抱きながら作業を進めた。だが、結果は得られず、一同の思いとは裏腹に空しく時間だけが過ぎ去っていった。
***
先ほどまで其処には巨大なロストロギアが存在していた。しかし、その姿は今は欠片も見当たらない。
既に破壊し終えた後だったのだ。そして、その中にあったであろう青い結晶体「ジュエルシード」は今、フェイトの手に持たれていた。
しかし、本来なら喜べる筈なのに彼女の心は深海の如く黒く曇っていた。
「フェイト、お疲れ様」
「アルフ…」
其処へオレンジの長髪に犬の様な耳を携えた女性が舞い降りてきた。年からして十代
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