#1 夢跡(DREAMTRACE)
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が感じられた。エックスは、その瞳に何か決意めいたものを感じ取り、軽く頷いた。
「きみたちのことは、まだ詳しくは知らないが……助けが必要なら、俺に言ってくれ。今は、それが俺にできることだから。」
ほむらはその言葉に軽く頷き、背を向けた。「行くわよ、エックス。まだ安全とは言えないわ。」
エックスはほむらに言われ、静かに後を追った。
???ーー
夢の中、鹿目まどかは何かに引き寄せられるように、無意識のうちに歩を進めていた。目の前に広がるのは、見知らぬ未来の都市。高層ビルが崩れ落ち、地面は亀裂だらけで、あたりにはただただ破壊の痕跡が広がっている。彼女の耳に届くのは、激しい戦闘音と、遠くから響く悲鳴のような音だけだった。
「ここは……?」
まどかの声は、誰にも届くことなく、虚しく響くだけだった。あたりを見回すが、自分がどこにいるのか、なぜここにいるのか、全くわからない。恐怖が胸を締めつける中、彼女の目に映るのは、ただ荒廃した未来の風景だけだった。
そのとき、視界の中に一筋の光が飛び込んできた。青い光が、荒れた大地を駆け抜け、まどかの前方で何かにぶつかり、激しく閃光を放つ。それは巨大な敵と戦う一人の戦士の姿だった。青いアーマーに身を包んだその戦士――エックスは、強大な敵に対して一歩も引かず、ひたすら攻撃を繰り出していた。
「この人は……?」
まどかは、その青い戦士の姿に息を呑んだ。彼は、目の前の敵と戦いながらも、どこか悲しげで、そして決意に満ちた表情をしていた。その姿は、絶望的な状況にあっても希望を捨てず、戦い続ける者だった。
しかし、その戦いはあまりにも激しく、まどかの心に不安をもたらした。戦士がどれほど頑張っても、敵の攻撃は容赦なく彼に襲いかかり、ついには彼がひざまずき、苦しそうに呼吸を整えながらも立ち上がろうとする様子が見えた。
「どうしよう……」
まどかはその場でただ見守るしかなかった。夢の中だとはわかっていても、彼を助けたいという気持ちが胸に湧き上がる。しかし、何もできない。彼女の体は動かず、声も出ない。ただその場で、戦士が倒れそうになるのを見ているしかなかった。
そして、次の瞬間、強烈な光がまどかの目の前に閃いた。戦士が最後の力を振り絞り、敵に向かって突進する姿が見えた。光はますます強くなり、まどかの視界は真っ白に包まれていく。
「だめっ……!」
まどかが叫ぼうとした瞬間、すべてが消え去った。光も、音も、そして戦士の姿も。
目を覚ましたとき、まどかはベッドの中にいた。夜明け前の薄暗い部屋の中、彼女は深い息をつき、夢で見た光景を思い出そうとしたが、細部はすでに曖昧になっていた。
「なんだったんだろう……あの夢……」
まどかはぼんやりと天井を見上げな
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