#1 邂逅(ENCOUNTER)
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ックスの視線を感じたほむらは、グリーフシードを見せるために手を軽く掲げた。
「これはグリーフシード。魔女が滅びると残されるものよ」と、ほむらは静かに説明を始めた。
「グリーフシード……?」エックスは不思議そうにその言葉を繰り返しながら、ほむらの説明を待つ。
「魔女は絶望から生まれる。そしてこのグリーフシードは、魔女が持っていた負のエネルギーの塊なの。魔女が残す唯一の痕跡であり、私たち魔法少女が戦う理由でもあるわ」とほむらは淡々と続ける。
「魔法少女が戦う理由……?」エックスはほむらの言葉にさらに疑問を抱いたが、彼女の冷静な表情からその言葉の重さを感じ取っていた。
「魔法少女のソウルジェムは、戦いのたびに汚れていく。それを浄化するためには、このグリーフシードが必要なの」と、ほむらは小さくため息をつきながら、自分の胸元にあるソウルジェムを指差した。
エックスの視線が彼女のソウルジェムに移ると、彼はそれが微かに濁り始めているのに気づいた。
「戦えば戦うほど、私たちのソウルジェムは汚れていく……。だから、こうして魔女を倒してグリーフシードを手に入れないと、私たちは……」
ほむらの言葉が途切れると、エックスはその意味を直感的に理解した。彼女たち魔法少女は、単に敵と戦うだけではなく、自らを浄化し続けなければならないという厳しい宿命を背負っているのだ。
「戦うことでしか、生き延びられないのか……」エックスは呟くように言った。その目には、これまでの自身の戦いに通じるものが見えていた。
ほむらはエックスの呟きを聞いたが、特に反応を見せることなく、グリーフシードをソウルジェムに近づけた。穏やかな光がジェムから放たれ、グリーフシードに吸い込まれるようにして、その汚れは消えていった。
「これで少しは持つわ」と、ほむらは冷静に言い放つ。彼女のソウルジェムは以前よりも鮮やかな輝きを取り戻していた。
エックスはその様子をじっと見つめていた。魔法少女という存在が、ただの戦士ではないことを改めて理解した瞬間だった。彼女たちは自らの存在そのものが戦いによって蝕まれる。魔女を倒すことでしか自らを保つことができないという、彼女たちに課せられた運命。それはエックス自身が感じていた、終わらない戦いの連鎖とどこか似通っていた。
「なるほど、そういうことか……」エックスは少し眉をひそめ、思案するように低く呟いた。「君たちも、戦いの中で自分を保つために戦わなければならないんだな……」
「そういうことよ。私たちは、戦うために生きる存在。望んでなったわけじゃないけど、それが現実よ」と、ほむらは淡々とした口調で応じる。その目には、どこか冷めた諦めの色が浮かんでいた。
エックスはその言葉に一瞬戸惑ったが、すぐに自身の過去の戦い
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