#1 邂逅(ENCOUNTER)
[6/8]
[1]次 [9]前 最後 最初
魔女の攻撃を避けつつ、目を細めた。
「俺が隙を作る。その間に奴の本体を狙ってくれ!」
ほむらは一瞬エックスを見て、彼の決意を感じ取った。「分かったわ。」
エックスは高速でアローニアに突進し、ゼロ距離から再び強力なエネルギー弾を撃ち込んだ。そのエネルギーはアローニアの絵具の体を貫き、一時的に彼女の動きを止めた。
「今だ!」エックスが叫ぶと、ほむらは即座に動き、魔女の核心部と思われる部分へと一撃を放った。小型の爆薬が的確に命中し、アローニアの体が崩壊を始める。
「終わりよ……」ほむらが静かに告げると、アローニアの体は完全に崩壊し、その姿は淡い光と共に消えていった。
戦闘は終わり、空間が元に戻り始める。エックスは肩で息をしながら、その場に立ち尽くした。
「これが……魔女か。」エックスは呟くように言い、ほむらに視線を向けた。
「そうよ、これが私たちの戦う相手。」ほむらは冷たく言い放ち、そして続ける。「まだこれが終わりじゃない。もっと強い敵がいるわ。」
エックスはその言葉を胸に刻み、戦いの覚悟をさらに固めた。
魔女・アローニアが消滅すると、その場に残されたのは黒い光を放つ小さな種のような物体――「グリーフシード」だった。周囲は静寂に包まれ、エックスはその奇妙な光景に目を奪われた。
「これは……?」エックスは無意識に声を漏らしたが、その目の前の物体が何なのかまるで理解できていない様子だった。
ほむらは無言でグリーフシードに近づき、冷静な手つきでそれを拾い上げる。指先でそれを軽く転がしながら、彼女は少し考え込むような表情を浮かべた。エックスの視線を感じたほむらは、グリーフシードを見せるために手を軽く掲げた。
「これはグリーフシード。魔女が滅びると残されるものよ」と、ほむらは静かに説明を始めた。
「グリーフシード……?」エックスは不思議そうにその言葉を繰り返しながら、ほむらの説明を待つ。
「魔女は絶望から生まれる。そしてこのグリーフシードは、魔女が持っていた負のエネルギーの塊なの。魔女が残す唯一の痕跡であり、私たち魔法少女が戦う理由でもあるわ」とほむらは淡々と続ける。
「魔法少女が戦う理由……?」エックスはほむらの言葉にさらに疑問を抱いたが、彼女の冷静な表情からその言葉の重さを感じ取っていた。
「魔法少女のソウルジェムは、戦いのたびに汚れていく。それを浄化するためには、このグリーフシードが必要なの」と、ほむらは小さくため息をつきながら、自分の胸元にあるソウルジェムを指差した。
エックスの視線が彼女のソウルジェムに移ると、彼はそれが微かに濁り始めているのに気づいた。
「戦えば戦うほど、私たちのソウルジェムは汚れていく……。だから、こうして魔女を倒してグリーフシード
[1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ