暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女まどか??マギカX 希望の閃光
#1 邂逅(ENCOUNTER)
[1/8]

前書き [1] 最後
21XX年――

シグマとの戦いは熾烈を極め、エックスとゼロの二人は全力でシグマに立ち向かっていた。幾度も繰り返された宿命の戦い――今回も、エックスは激戦の中で無二の戦友と共に闘い続けた。

「ゼロ……!」

エックスの叫びと共に、ゼロは致命傷を負い、その場に崩れ落ちた。シグマの笑い声が遠くに聞こえる中、エックスは悲しみと怒りを胸に、最後の力を振り絞り、シグマを撃破した。しかし、自身も深刻なダメージを受け、エックスはその場に倒れ込んだ。

静寂の中で――

エックスが次に目を開けたとき、目の前にはホログラム――ライト博士の姿が浮かんでいた。穏やかな表情でエックスを見つめる彼は、未来を見据え、エックスに語りかける。

「エックス、おまえは多くの戦いをくぐり抜け、今や心身ともに限界に近づいている。しかし、おまえがこれから進むべき道はまだ終わっていない。だが、おまえの心にはあまりにも深い傷が残っている……」

ライト博士はエックスを気遣いながら、彼の負った傷だけでなく、心の中に抱えている重圧に言及した。その言葉に反応しようとするエックスだったが、激しい戦闘による疲労で意識は朦朧としていた。

「ゼロ……」

ぼんやりとその名を口にするエックス。しかし、ライト博士の表情はわずかに曇った。その瞬間、ホログラムである博士の姿はわずかに揺らぎ、次の言葉に決意がこもる。

「エックス……おまえの未来のために、私はある処置を施す必要がある……」

ライト博士の言葉と共に、かすかにエックスのボディが光を帯び始める。ホログラムとしての博士は、直接手を動かすことはできないが、事前に仕組まれていたプログラムが、エックスの体にアクセスし始めたのだ。それは、彼を守るためにライト博士が残した最後のシステム――ゼロとの記憶を消去し、彼の心の負担を軽減させるためのものだった。

エックスは自らのデータに何かが操作されている感覚をかすかに感じながらも、意識を失いかけていた。博士はただ静かに、エックスを見守っていた。

再び目覚めたとき――

数時間後、エックスは無傷の状態で目を覚ました。身体は完璧に修復されていたが、彼の心には微妙な空白が広がっていた。

「……何かが……足りないような気がする……?」

ゼロに関する全ての記憶は消去されていたが、エックスはその喪失を明確には理解できなかった。彼はただ、何かが欠けているような感覚を抱きながらも、その理由を掴むことができなかった。

ライト博士のホログラムは消えており、彼の記憶を消したという事実は、エックスには知らされていなかった。

「……これからは、前に進むしかない」

エックスは自分自身に言い聞かせた。彼が夢見る「ヘブン」の実現に向けて――その歩みを再び始めるために。

前書き [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ