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夜の荒野
第二章
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 寝る前にだ、オーネルは仰向けになったところで隣で自分と同じく仰向けになっているホーンに言った。
「寒いけれど荒野は静かで星が一杯見えるな」
「ああ、奇麗なもんだよ」
 ホーンも応えて言った。
「いいもの観られてるな」
「寒いけれどな」
「こうしたものを観られるのはいいな」
「静かな荒野に星が一杯ある澄んだ夜空はな」
「いいな、ずっと馬に乗って牛の群れが暴れない様に移動させてな」
「いつも獣や盗人に警戒しないといけないけれどな」
 そうした仕事だがというのだ。
「それでもな」
「こうしたものが観られるのはいいな」
「全くだ、夜も満足に寝られなくて」
 交代で起きて見張りをせねばならないからだ、獣や盗人は夜に来ることもあるからだ。
「風と砂に悩まされて」
「街に入るまでずっと風呂に入られない」
「食いものも考えて言わないとな」
「すぐになくなるしな」
「腹一杯だと眠くなって身体も重くなる」
「満足に動けないからいつも腹八分だ」
「そうした仕事だ、けれどな」
 オーネルはそれでもと言った。
「こうしたものを観られるのはな」
「いいな」
「ずっと馬に乗っていて尻も痛くなるけれどな」
「寝てる時に毒蛇や毒区もが来るかも知れない」
「そんなやばい仕事だけれどな」
 それでもというのだ。
「時々こんなものも観られる」
「荒野の彼方に登る朝日や沈む夕日もな」
「街や村じゃ観られない自然も観られる」
「そうしたことはいいな」
「悪いばかりじゃないな」
 こう言うのだった、そしてだった。
 二人は寝てそれぞれ当番になると起こされて見張りをした、そうして朝になると軽く飯を食ってだった。
 仕事を再開し馬を進ませてだった。
 三日で目的地に着いた、するとオーネルは仲間達と共にだった。
 すぐに風呂屋に行って身体を奇麗にした、そこで一緒にいるホーンに言った。
「やっぱりな」
「風呂がいいよな」
「ああ、ずっとな」
「牛を連れて行く間はな」
「荒れ地を進んで」
 そうしてというのだ。
「汗もなくし砂埃に汚れてな」
「酷いものだからな」
「だからな」
 そうした日々を過ごすからだというのだ。
「本当にな」
「いいよな、風呂が」
「一番な、ただな」 
 微笑んでだ、オーネルはホーンに話した。
「前に観た夜のな」
「ああ、荒野のな」
 ホーンはオーネルの話に笑顔で応えた。
「あの景色はな」
「よかったな」
「カウボーイっての危ない仕事でな」
「死ぬ様な目にもよく遭うけれどな」
「それでもな」
「ああしたものも観られるからな」
「いいな、そう思う時がな」 
 湯舟の中で話した。
「あるよな」
「そうだな、じゃあこれからもな」
「頑張ろうな、この仕事」
「そうし
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