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蜜蜂の挑発
第二章

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 女神は言った通りに蜜蜂をテリビヌのところに送った、彼は今眠っていたがその彼に対してだった。
 蜜蜂は刺した、すると。
「!!」
「目を覚まされましたね」
「い、痛い!」 
 寝ていた時に刺された痛みと衝撃それに怒りにだった。
 若々しい鳥の巣の様な髪の毛を持つ細面の中背で痩せた神は飛び上がり兎に角手当たり次第にだった。
 自分の力を撒き散らした、それは彼が司る豊穣の力で。
 その力でだ、これまで止まっていた実りが世にもたらせれた、シャマシュはその様子を見てハンナハンナに言った。
「これが貴殿の策か」
「まだよ」
 女神は太陽神に微笑んで答えた。
「続いているわ」
「そうなのか」
「今彼は痛くて驚いてね」
「怒りを撒き散らしているな」
「あれだけ激しいなら」
 そうしたものがというのだ。
「すぐに収まるわ、そしてね」
「収まったらか」
「そこからね」
 さらにというのだ。
「また動くわ」
「ではな」
「まずは収まるのを待つわ」
 テリピヌがとだ、こう言ってだった。
 地母神は今は彼を怒るに任せた、彼は兎角怒り続けてだった。
 これまで自分が放たなかった実りをこれでもかと放った、そしてこれでもかと放ったところでだった。
 ようやく落ち着いた、そこでハンナハンナは彼の下を訪れて言った。
「まずはお酒と羊の肉、そして甘い果物をです」
「頂けと言われますか」
「そうしなさい、いいですね」
「貴女も私に働けと言われるのでは」
「まずは飲んで食べるのです」
 そうせよというのだった。
「よいですね」
「それでは」
 テリビヌも頷いた、そうしてだった。
 ハンナハンナが出した酒と肉それに果物をふんだんに飲んで食べた、そうしてそのうえで満足してからだった。
 ハンナハンナにだ、あらためて尋ねた。
「それで私に働けと」
「まずはどうしてここまで逃れたかを言いなさい」
 若い豊穣神に優しい母親の様な声で話した。
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