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崩れた劇場
第二章

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 少しずつ復興させていった、その中でだ。
 コズイレンは支配人としてだ、あちこちに頭を下げていた。
「劇場を再建する予算ですか」
「そのお金を手に入れてるんですか」
「そうされてるんですか」
「クラウドファンティングもしてね」
 久し振りに集まったスタッフ達に瓦礫がようやくなくなってきた中で話した。
「そうしているよ」
「そうですか」
「そうしてくれていますか」
「今は」
「何につけてもお金だから」
 これが必要だからだというのだ。
「それでだよ」
「お金集めてますか」
「そうしてますか」
「今は」
「それで劇場を建設してくれる業者さんと」
 再建を実際に担うというのだ。
「設計してくれる人もだよ」
「探していますか」
「そうしていますか」
「今は」
「絶対に再建させて」
 劇場をとだ、コズイネンは強い声で言った。
「そしてかつての様に」
「色々な作品が上演されて」
「沢山の俳優さんや女優さんや歌手の人が出て」
「劇団や楽団が賑やかに動き回って」
「お客さん達が拍手する場所にするですね」
「そうするんだ」
 絶対にというのだ。
「だからだよ」
「動かれていますか」
「債権の為に」
「この状況で」
「国も復興しているんだ」
 そうした状況だというのだ。
「それならだよ」
「劇場もですね」
「再建させてですね」
「かつての様な場所にしますか」
「素晴らしい劇場に」
「そうするんだ、どれだけ大変な状況でも」
 そうであってもというのだ。
「絶対に諦めない、私はやるよ」
「それなら俺達もですよ」
「俺達劇場のスタッフですから」
「今は国の復興のため他の場所で働いてますけれど」
「劇場で働いていたんです」
「それならですよ」
「お願いするよ、我々の国も戻って」
 戦争がはじまる前にというのだ。
「そして劇場もだよ」
「同じですね」
「戻りますね」
「あの時みたいに賑やかになりますね」
「そうなるよ」
 こう言ってだった。
 コズイネンは劇場再建の為に動き回った、それにスタッフ達も自分達がそれぞれ出来る範囲で共に動いていった、その中でだった。
 祖国の復興が軌道に乗った、そしてだった。
 劇場再建の予算が調達出来て設計者も再建を担ってくれる業者とも契約出来た、そうなってであった。
 再建がはじまった、設計は破壊される前が踏襲されていてそこに最先端の技術も入れられてであった。 
 その上で行われた、そして再建がはじまって一年後にだった。
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