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邪教、引き継ぎます
第五章
46.総攻撃
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2なら神殿の出入り口近くで活躍中だよ。いいデビュー戦になってるね。引退戦にもなっちゃいそうなのは残念だけどさ!」



 ◇



「すまなかったのお、お嬢ちゃん」

 向かってきたデルコンダル兵と思われる人間を退けると、老アークデーモン・ヒースは前を見たまま背中に向けて言った。
 魔力はとうの昔に尽き、種族特有の三つ又の槍で戦い続けていた。

「ん。なんの話」

 背中側にいたのは、謎の吹雪の呪文を連発し続けているロンダルキアの(ほこら)の少女・ミグアである。

「こっち側に来いとおぬしを最初に誘ったのはワシじゃろうからな」
「……フォルもしつこく謝ってきてうるさかったから、昨日『ごめんなさい』を禁止にした」
「フム。そうじゃったのか」
「わたしはここにいないといけないような気がしたからそうしただけ。それより、この子のほうがよっぽど気の毒」

 彼女はやってきた連合軍の兵士に呪文を放ちながら、横を見た。
 頭巾から茶色の髪をあふれさせている、背の低い魔術師――海底の洞窟の唯一の生き残りであるカリルだ。

「カリルも頑固よの。あれだけ避難せいと言われたのに」
「もう行くところはありません。最後までフォルさんのため、みなさんのために働かせていただきます」

 彼もすでに魔力は尽きており、身長に不釣り合いな大人用の杖を槍として使っていた。

「……どんどん敵が増えておるな。いよいよ厳しくなってきたかの」

 巧みな槍さばきを見せながらぼやくヒース。
 そしてその背後では、謎の詠唱が途絶える。

「おぬし、もしや――」

 老アークデーモンが後ろを見た。

「うん、そのもしや。魔力が切れた」
「フォフォフォ。おぬしでも切れるのじゃな」
「生まれて初めて。まあ、限界がわかったのはいい思い出かな」

 白い少女は、ローブの中から赤い柄の小さな短剣を取り出した。

「そのかわいい信者服もよい思い出か? あれだけ嫌っておったのに着てくれる日が来るとはのぅ」
「着ないと誤射されるから仕方ない」

 フォルが彼女の体に合わせて作ってくれた信者服をなびかせ、白い少女は銀色に光る短剣を振っていく。



 ◇



 南側の出入り口から堂々と柵内に入った、ロス、カイン、アイリン。

 いまだ乱戦が続く中、バーサーカーやシルバーデビルなどが三人を発見して襲いかかるも、彼らにとってはまったく敵ではなく。かすり傷すら負うことはなかった。

「あっ、ローレシア王! お待ちください!」

 しかし神殿を目指そうとする三人に対し、兵士から声がかかる。

「どうした?」
「神殿の建物近くに、ギガンテスと、何やら宙に浮いているキラーマシンがいます! 異様に強く手間
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