暁 〜小説投稿サイト〜
邪教、引き継ぎます
第五章
46.総攻撃
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「あ゛ああッ」

 それまで素早い動きで射撃もかわし続けていたが、一斉に標的にされては難しい。そのほとんどが命中し、苦悶の声とともに彼女の服の胸部、腹部、背部から火花が散った。
 さらに魔法使いとおぼしき兵士二人が同時にベギラマを放つ。

「う゛あ゛ああッ――!」

 これも命中し、服全体から火花を散らした。

「今だ!」

 好機と見た兵士が剣で斬りかかっていく。

「……っ!」

 シェーラはふらふらになりながらも一人目の攻撃を盾で受け、渾身の斧の一振りで兵士を飛ばした。
 だがさらに続く兵士の剣は受けられず。

「ああ゛ッ」

 横薙ぎを受け、火花を散らしながら彼女の体が反る。
 さらに続いた斧装備の兵士による重い一撃も入った。

「あ゛あ゛ああアッ――!!」

 大きな声とともに派手に服から火花を散らし、ついに地に伏した。

「ぁ……ぅ……ぁ゛ぁ……」
「よし倒したぞ!」
「油断するな。しっかりとどめを刺しておこ――っ!?」

 地面であえぎながらもがく彼女に兵士が近づこうとしたとき、その足元に弓矢が刺さった。

「キラーマシンだ!」

 今度は一斉に兵士たちが離れていく。

「シェーラちゃん大丈夫!?」
「だ、大丈……夫……だ……」

 伸ばされた手を取り、シェーラが立ち上がる。
 助けに来たのは、数体のキラーマシンと、自称キラーマシン使いのタクトだった。

「19番、20番、49番、50番、52番、頼むよ!」

 番号管理がなされているらしいキラーマシンに対し、タクトが指示を出す。
 サッとキラーマシンたちがタクトとシェーラを守るように位置した。シェーラを包囲して攻撃していた兵士たちに対し、逆に左手の弓で射撃をおこない始めた。速い。
 これにはたまらず、兵士たちはいったん距離を取っていく。

「いいねー。優秀。百点!」
「……お前……楽しそうだな。みんな死ぬのは時間の問題なんだぞ。人間なら……もう少し怖がったらどうだ」
「んー、なんか海底の洞窟のときより平気なんだよね。なんでだろ。大きな戦が初めてだから興奮状態なのかも? いい武器と防具もあるしね!」

 笑みを浮かべるタクトの右手には、竜王の杖。左腕には、竜王の鱗で作製した盾が装着されていた。

「お前は最後まで変な人間だったな。気に入った」
「お。またきみの中でおれの評価アップ? うれしいねー。きみはどうなの? この状況」
「愚問だろ」
「バーサーカーに臆病者はいない、だっけ?」
「そうだッ」

 流れてきた矢を盾で弾きながら力強く言うと、彼女はもう休憩は十分と言わんばかりに下ろしていた斧を構える。

「ところでフワフワ浮いてる奴はどうした」
「キラーマシン
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ