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北朝鮮はいい国
第二章

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「日本人だって攫ったな」
「ああ、前に総理大臣が行った時言ったね」
「前から言われていてな」
「本当だったんだ」
「あれもな」
 拉致もというのだ。
「普通に考えて絶対にやってたんだ」
「あの国が」
「人まで攫うんだぞ」
 他の国からというのだ。
「そんな国がいい国か」
「悪い国だね」
「最悪の国だよ、その先生の言うことは聞くなよ」
「学校の先生の言うことでも」
「そうだ」
 絶対にというのだ。
「授業は聞いてもな」
「授業わからないんだけれど、その先生の」
「じゃあそっちも聞かなくて塾で教えてもらえ」
「一切聞かなくていいんだ」
「そうだ、しかし組合にもそんな馬鹿は昔からいるが」
 重一は苦い顔になって話した。
「学校の先生でもだな、父ちゃんが中学生だった頃にもな」
「そう言う先生いたんだ」
「ああ、スターリンとかが大好きでな」
「ソ連の独裁者だよな」
「大勢の人を殺したな」
「人を殺す人が好きなんだ」
「そうした先生はな」
 まさにというのだ。
「ソ連にしても北朝鮮にしてもな」
「日本軍は大勢の人殺した悪い軍隊って言うけれど」
「遥かに殺してるんだよ」
「ソ連や北朝鮮の軍隊は」
「そうだ、ああした国がすることは何でもよくてな」
「日本は駄目なんだ」
「その先生がどうして馬鹿かってな」
 このことはというのだ。
「もっとよく生きていればわかるぞ」
「そうなんだ」
「ああ、地上の楽園とか言ってるな」
「将軍様がどれだけ素晴らしい人か」
「そんな筈あるか、拉致だってわかってるんだ」
 その真実がというのだ。
「もう言い逃れも出来ないぞ」
「あの国は悪い国で」
「その先生が馬鹿だってな」
「それでその先生の言うことはだね」
「一切聞くな、最悪の馬鹿だからな」
「そうした方がいいかな」
 息子はこの時はこう思うだけだった、それでその先生のことを学校で聞くと担任をしているクラスでも顧問をしている部活でもだった。
「北朝鮮の話ばかりだよ」
「日本への悪口と」
「北朝鮮がどれだけいい国か言って」
「日本は昔も今も悪い」
「何でもね」
 こう重太郎に話すのだった。
「皆で話し合って皆で決める」
「本当の民主主義の国だって」
「税金もないお金も必要ない」
「行けば必要なものは全部ある」
「皆平和で仲良く暮らしている」
「将軍様は最高の指導者だって」
「それ本当かな」
 重太郎は首を傾げさせた、すると。
 誰がだ、こう言った。
「嘘に決まってるだろ」
「俺達だってわかるぞ」
「あんな国何処がいいんだよ」
「最悪でしょ」
「食べものも自由もなくて」
「将軍様の独裁で」
「何かあったら収容所送りで」
 そうした国家でというのだ。
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