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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第221話:導きの笛吹き
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予想外の事態にベルゼバブが唖然となっている隙に、翼は返す刃で剣を振るい腕を振り上げて無防備を晒す相手の胴を切り裂いた。思わぬ反撃にベルゼバブは回避も防御も出来ず、胴体を切り裂かれた痛みに悲鳴を上げた。
「ぐあぁぁぁぁぁぁっ!? な、何故だッ!? 何故、私の魔法が発動しないッ!?」
訳が分からないと声を荒げるベルゼバブ。その様子を見ていた未来とエルフナインは、直前に確かに響いていた笛の音に周囲を見渡した。
「ねぇ、エルフナインちゃん……今、確かに……」
「はい、僕にも聞こえました。今の笛の音は……」
2人が周囲を見渡していると、ベルゼバブに一撃お見舞いした事でやっと一矢報いたとその場に膝をつく翼の前にアリスが姿を現した。アリスは翼達を守る様にベルゼバブの前に立ち塞がり、その手には銀色に輝くハーメルケイン・レプリカが握られている。
ベルゼバブの前に立ち塞がったアリスは、ハーメルケイン・レプリカの切っ先をベルゼバブに向けつつ肩越しに背後を振り返り翼達を安心させようと笑みを浮かべた。
「すみません、救援に来るのが遅れました。もう大丈夫です」
「明星女史……ありがとうございます。ですが、あなたは颯人さん達のサポーター。あまり無理はせず、小日向達の避難を……」
傷付いた体で尚もベルゼバブの相手をしようと立ち上がる翼だったが、アリスはそんな彼女を優しく後ろに下がらせた。傍から見ただけで分かる、もう翼は限界が近い。そんな体で、これ以上幹部の相手をするのは不可能だ。
「それはこちらのセリフです。翼さんこそ、これ以上の無理は禁物です。あなたにもしもの事があれば、奏さん達が悲しみます」
「しかし、あなたは戦闘要員ではない筈ですッ! それなのに、敵の相手を任せるなど……」
「御心配には及びません」
自信を感じさせるアリスの言葉。何を根拠にそんな事を言えるのかと翼達が見ている前で、アリスはベルゼバブと相対しながらハーメルケイン・レプリカのリッププレート部分に唇を添えた。
「お忘れですか? 皆さんと会う前、私は輝彦さんと共に彼らと戦ってきたのですよ」
そう言うと、アリスはハーメルケイン・レプリカを剣としてではなく笛として使い、一音節吹き鳴らした。
その瞬間、ハーメルケイン・レプリカが光を放ったかと思うとアリスの体がその光に包まれ、その装いが大きく変わった。それまでは白衣と錬金術師のローブ姿を組み合わせたような恰好だったのが一変し、まるで修道服を思わせる様な所々に鎧を持つ姿となる。
それは正しく、錬金術師が纏う戦いの為の鎧……ファウストローブ。戦いの為の装いに着替えたアリスは、背後の翼達を守る様に片手を上げ形状を変化させたハーメルケイン・レプリカを軽く振るった。
「これが、ハ
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