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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第221話:導きの笛吹き
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のギアの装者達ともいい勝負をしてくれるだろう。

 そんな彼女達が、卑怯卑劣な手段に走り裏でコソコソしながら動き回る事を颯人は純粋に勿体ないと思ってしまった。

「コイツは、意地でもこいつら全員母さんの前に並べてやらないといけねえな。その為には……」

 颯人は戦いの最中、チラリと周囲に目をやり監視カメラなどの位置をチェックした。被害は出来るだけ抑えようと努力しているが、これだけの騒ぎを起こせばいい加減輝彦も気付いてくれている筈。予定通りに動いてくれているならば――――――

「ッ!」
「と、ヤベ……!?」

 一瞬意識を逸らした瞬間を狙われたのだろうか。ミラアルクが両腕を強化するのに使っていた翼を背中に戻したかと思うと、その翼を硬質化させブーメランの様に変化させるとそれを手に持ち斬りかかってきた。颯人はそれを素早く剣で受け止めるが、ミラアルクはその際に突撃の勢いを利用して体を捻ると颯人が攻撃を受け止めた部分を支点に蹴りを放った。攻撃を受け止める為に踏ん張っていた颯人はこの流れるような動きに反応が遅れ、やむなく体勢を崩して腕を使ってミラアルクの蹴りを受け止めた。

「くぅっ!?」

 細身の少女にしか見えない見た目でとんでもなく重い蹴りを放つミラアルク。何とか踏ん張れた颯人だがこれで完全に動きを止められてしまい、その隙を見逃さなかったミラアルクは続いて空いてる方の手の爪を伸ばしてそれで颯人の鎧を引っ掻いた。ただの引っ掻きと侮るなかれ、自らを怪物と称する彼女の引っ掻きは、並の人間であれば容易く引き裂けるほどの膂力を持っていたのだ。その一撃が颯人の鎧に襲い掛かり、引っ掻かれた部分は4本並んだ傷をつけられ衝撃は鎧の下にまで及んだ。

「がはっ!?」

 今の引っ掻きで踏ん張りも緩んだ。冷徹な戦闘マシーンと化したミラアルクは体勢が崩れた颯人をゴミを払う様に裏拳で殴り、殴り飛ばされた彼は通路の先の壁にめり込む勢いで叩きつけられてしまった。

「うぐぁっ!? ぐ、く……」

 引っ掛かれ、殴られ、叩き付けられる。度重なるダメージに、颯人は変身こそ解けはしなかったがその場で膝をつき蹲ってしまった。
 ミラアルクはそんな彼にゆっくり近付き、蹲って動かない彼の前に立つとブーメランに変化させた翼でトドメを指そうとする。振り上げたブーメランに照明が反射し妖しい光を放つ。

 颯人が自身にトドメを指そうとしてくるミラアルクの事を睨み付ける中、彼女がブーメランを振り下ろした。如何に変身しているとは言え、これをまともに喰らえばただでは済まないだろう。

 だが幸運の女神は彼を見捨ててはいなかった。或いは幸運ではなく必然だろうか。

 振り下ろされたミラアルクのブーメラン。それを出し抜けに横合いから飛び出してきた輝彦が、変身もせ
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