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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#7
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てしまった方が良さそうだ。

≪先にこの変異種2頭を討つ。アーシャは俺の援護を───ハルドはヴァルトの援護をしてくれ≫
≪はい!≫
≪解りました!≫
≪セレナは、俺たちの隙をつこうとする魔物たちの牽制を頼む≫
≪はい…!≫

 指示を出し終えたディンドは、対峙している変異オーガに意識を集中させる。

 棍棒を砕くつもりで、腕に力を入れて変異オーガの棍棒を押し返そうとした。ぴき────と微かな音をディンドの耳が拾う。それは、変異オーガの持つ棍棒からではなく────ディンドの愛剣が発した音だった。不意に支えとなっていた大剣が砕けて、ディンドは前のめりになる。

「っ!?」

 変異オーガは、棍棒を押し止めていたものが無くなったことに気づき―――ディンドを叩き潰すべく、棍棒を振り被った。

「ディンドの旦那…!」

 ヴァルトの焦った声が聴こえたが、ディンドはそれを気にする余裕はない。

 アーシャが両手にナイフを取り寄せ、変異オーガの顔面に向かって放つ。変異オーガは、ディンドに振り下ろさず、襲い来る2本のナイフを弾くために棍棒を振るう。
 ディンドはその隙に、後ろに跳び退りつつ、折れた愛剣を予備の大剣に替える。

 ナイフを叩き落とした変異オーガは、一歩踏み出しただけで開いていた間合いを一気に詰め、今度こそディンドを叩き潰そうと棍棒を振り下ろす。

「【防衛(プロテクション)】!」

 咄嗟に【防衛(プロテクション)】を発動させたものの、やはりと言うべきか、棍棒によって魔力の盾は掻き消された。

 棍棒を避けるために【身体強化(フィジカル・ブースト)】を発動しようとしたが、間に合わず────ディンドは、大剣で受け止めるしかない。

「ヴァルト!!」

 切羽詰まったハルドの声につられて無意識に視線を走らせると────ヴァルトに、変異オーガが棍棒を振り下ろそうとしていた。ヴァルトの両手剣は、半ばから折られてしまっている。

 ヴァルトは、予備の両手剣と替えるべく、【換装(エクスチェンジ)】を発動させた。間一髪、剣を交換することに成功し、ヴァルトは振り下ろされた棍棒を両手剣で受け止めたが───体勢が調っていなかった上に、【身体強化(フィジカル・ブースト)】を発動することも叶わず、変異オーガの膂力によって弾き飛ばされた。両手剣も耐えられなかったらしく、半ばから折れていた。

「ヴァルト…!!」

 ディンドが思わず声を上げた、そのとき────変異オーガの棍棒を受け止めていたディンドの大剣が折れた。

「っ!!」

 ディンドと対峙する変異オーガが、ディンドの大剣を叩き折って下がった棍棒を振り上げた。ディンドは、半ばから折れて短くなった剣を翳した。

 当然、それでは変異
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