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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第二十七章―双剣―#6
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≪殿下、冒険者より連絡が来ました。陣形を変えたようです≫
≪解った。引き続き、援護と連絡役を頼む≫
≪かしこまりました≫

 レド様とセレナさんの【念話(テレパス)】での遣り取りを、対の小太刀を振るいながら聴く。

 ネロの【索敵】によって常に更新されている【立体図(ステレオグラム)】を確認しつつ───対の小太刀では僅かに間合いが足りないため、太刀に替えて振り抜いて、右側にいるオーガの首を刎ね、左手に持ったままの鞘で左から繰り出された両手剣を弾いた。

 首を失くしたオーガの胴体を右足で蹴り飛ばした勢いで身体の向きを変えると同時に手首を返し、剣を弾かれて体勢を崩したオーガの首を斬り払う。

 太刀を薙刀に替えて、近づいて来ていたオーガの首を刎ねたとき────状況確認を終えたらしいレド様から、【念話(テレパス)】が入った。

≪リゼ、ディンド、冒険者は護りに入ったようだ≫

 レド様は両手剣を振るう手を止めることなく、続ける。

≪冒険者たちの限界が来る前に、戦力を割いてこちら側から大幅に切り崩そうと思うが───どうだ?≫

 薙刀からまた太刀へと替えて、オーガの相手をしながら────レド様の案を念頭に置いて、もう一度、状況を確認する。アーシャのサポートに回っていたジグが、私の様子に気づき、こちらに近づくオーガを間引きしてくれる。

 今のところ、魔獣とオーガの変異種8頭が動く気配はないし────騎士・貴族連合の方は、人数的にも冒険者たちより多いというだけでなく、集団戦に慣れているせいもあってか、苦戦しているような様子は見られない。冒険者側───スタンピード前方に、多めに人員を割り当てても大丈夫だろう。

 それに、魔獣とオーガの変異種と戦う前に、今のうちに切り崩しておいた方がいいかもしれない。

≪賛成です≫
≪俺も賛成です≫

 ディンド卿も同意見のようだ。

≪では────これより、スタンピード前方の魔物を掃討する。向かうのは、俺、リゼ、レナス、ラムル、ジグだ≫

 私、レナス、ラムル、ジグが、それぞれ了承の【念話(テレパス)】を返す。

≪ディンド、ヴァルト、ハルド、アーシャはここに残り、この場を確保しつつ引き続き魔物を減らしてくれ。────ディンド、後を任せる≫
≪はっ≫
≪セレナは、適宜、援護を頼む≫
≪解りました≫

 セレナさんから【念話(テレパス)】が返ってきたのを機に、立ち位置を変えるために───近くにいる敵を一掃すると同時に、周囲の敵を足止めするべく、私は【疾風刃(ゲイル・ブレイド)】を放った。

 もう武具を替えながら戦うのは控えた方がいいかもしれない────そう考え、ジグと共に移動しつつ、太刀を対の小太刀へと替える。

 ディンド卿たち
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