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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#5
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 先程までオーガと対峙していたドギや『暁の泉』の斥候、『高潔の剣』のアーチャーがパーティーに戻って仲間と連携しているところを見ると、無事、後列のCランクパーティーが後を引き受けることができたのだろう。

 幸いなことに、一つのパーティーで1頭か2頭相手する程度で───戦力を鑑みて、ソロのBランカー3人をそれぞれ組み込んでいることもあって、大して手こずっている様子はなかった。

 メンバーにケガ人が出たり、疲労などで押さえ込みが難しくなったりしたら、パーティーの入れ替えも考えなければいけない。

 ガレスは、足の痛みから意識を逸らしつつ────表情を引き締め直した。


※※※


 セレナは、魔術を発動すべく───短杖を握る自分の指に向けて、魔力を流し込む。親指の下に刻まれた魔術式がセレナの魔力を吸い取り、杖の先に収められた“氷姫”へと注がれていった。

 標的は、右方向で交戦中の仲間たちに迫るオーガの集団だ。

 自分の視覚情報と共有させてもらっている【立体図(ステレオグラム)】からの情報を重ね合わせて、狙いと発動する魔術の詳細を定める。

 毎朝の鍛練でリゼラにアドバイスを受けながらの訓練、地下遺跡での経験だけでなく、この戦いでも何度も発動したことで───氷刃の形状や大きさ、魔術の規模は、すでに自在に操れつつあった。

 それに、リゼラに加護を授かって【魂魄の位階】とやらが上がったせいなのか、今までより発動範囲が広がっている。少し距離が開いていようと、魔術を放つことが可能だ。

 標的のオーガは、6頭。セレナは、なるべく魔力の消費を抑えるためにも、氷刃の数を減らして───その代わり、氷刃を大きく鋭くして、オーガの頭上から降らせる。

 氷刃はセレナの思惑通り、それぞれオーガの頭を貫き、洩らさずその命を奪った。

 続けて、他の仲間たちの状況を確認しようと目線を動かしたセレナは、腰に巻いたウェストポーチから、赤い光が漏れていることに気づいて────慌てて、預けられている魔道具を取り出した。

 点滅は───3回。連続で3回点滅して、数瞬だけ間を置いて、また3回点滅している。

 騎士・貴族側からの連絡なら、点滅は2回のはずだから、これは冒険者側からの連絡だろう。

 交戦開始の連絡はすでにもらって、それは【立体図(ステレオグラム)】でも確認している。次に連絡があるとすれば、戦い方を変えたときだとルガレドから予め聴かされていた。

 セレナは、ルガレドに【念話(テレパス)】を入れる前に、冒険者たちの動向を【立体図(ステレオグラム)】で確かめる。意識すると、すぐにスタンピードの状況が立体図となって思い浮かんだ。冒険者たちの並び方が、明らかに変わっていた。

≪殿下、冒険者より連絡が
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