暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#5
[4/9]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
いている。
その意味を考える前に、オーガが動いた。ガレスを斬り裂くべく、戦斧を横薙ぎに振るう。
ガレスは地面を蹴って、後ろへと退避する。斧刃は、ガレスの胸板ぎりぎりのところを通り過ぎた。
戦斧を振り切った状態のオーガを、ユリアの魔術が襲う。
オーガは、即座に戦斧を振り返す。
先程の消える寸前だったものとは違い、旋風の勢力は魔物の膂力を凌駕するものだったが────オーガがその乏しい表情を歪めて、呻き声とも怒号ともとれぬ声を漏らすと、オーガの両腕が膨れて、腕に取り巻くように血管が浮かび上がる。そして、渦巻く風に戦斧を打ち込み───斬り裂いた。
オーガは解けかかった旋風に再度斬りかかる。
魔術すら膂力で以て掻き消そうとするオーガを、呆気に取られて見ていたガレスは、3頭のオークが踏み込んできたのを目の端に捉えて、我に返った。
オークたちは、旋風と格闘するオーガと緊張に身構えたガレスの側を通り抜けていく。
その行く先は────ユリアだ。
「?!」
魔物は通常、目先の敵に群がる。習性上、丸腰の人間を無視して、武具を携えた人間を率先して襲うということはありうるが────この状況なら、普通はガレスを襲うはずだ。
(それが、何故────?)
ガレスが考えあぐねている間にも、3頭のオークはユリアに近づく。
オークの垂れ下がる小さな耳介を見て、ガレスは思い出した。コボルトの唸り声が聞こえたとき、オークたちはそれに耳を傾けていた。
(もしかして─────コボルトが指示を出しているのか…?)
どうやって種族を越えて共闘させるのか疑問に思っていたが────オーガとオークがお互いの動きに合わせるのでなく、オーガの邪魔をさせないよう、コボルトがオークを動かしているのではないか?────そんな考えが浮かぶ。
短杖を構えたままだったユリアは、近づく3頭のオークを足止めするべく魔術を発動しようとしたが、間に合わない。魔術が発動する前に、オークたちがユリアの許へと辿り着く。
「っユリア!」
(考え事などしている場合ではなかった…!)
3頭ものオークを───しかも至近距離で、ユリア一人で相手取るのは厳しい。
踵を返そうとしたガレスに、戦斧が襲った。その場を離れようとしていたのが幸いして、戦斧の起こした刃風がガレスの前髪を揺らしただけだった。
オーガは、ユリアが放った旋風を、本当に戦斧で掻き消してしまったらしい。
「クソっ!」
ユリアに向かって、まずは真ん中にいる1頭のオークが、両手剣を振り被る。
ユリアが短杖をベルトに差し込み、片手剣を抜くが────抜き切るより、オークが両手剣を振り下ろす方が速かった。
「ユ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ