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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#5
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アレドに信号を送れ!」
「はい!」

 冒険者パーティーやチームには、騎士団や兵団とは違って戦法や動きに決まりがなく、それぞれにやり方を確立している。

 魔獣討伐や集落潰しで共闘するときも、一緒に戦うと言うよりは、ただ一斉に各々攻撃する───あるいは手分けして殲滅する。

 協力して戦うこともできないわけではないだろうが、お互いの動きに慣れていない援護では、敵に隙を与えかねない。下手をしたら、足を引っ張る可能性もある。

 だから───パーティーごとで手に負えない状態になったときには、前進して隙間を埋め、最前列のBランクパーティーは押さえ役に徹し、押さえきれなかった魔物をそれ以降のパーティーが迎え撃つように、ルガレドより指示を受けていた。

 ルガレドとリゼラ、その配下が、こちらとは反対側から魔物の群れを切り崩してくれているはずなので────こちらも、何とか魔物の進攻を押さえつつ、少しずつ切り崩しながら────今はある程度まで魔物の数が減るのを待ち、そのときが来たら攻撃に転じるしかない。

「エイナ、念のため、4列目以降に通達してきてくれ!」
「解った!」

 掛け声や魔物の唸り声、剣戟などがあちこちから響くものの、大声が通らないほどではない。4、5列目くらいまではガレスの指示はちゃんと届いたとは思うが、もし聴き洩らしたパーティーがあっては困る。

 5列目以降には、ガレスから指示があったら後方に伝えるよう、予め言い含めてある。

「俺は、『栄光の扉』の穴を塞ぐ!ユリア、手伝ってくれ!」
「解りました!」

 幸い、ガレスは『暁の泉』と『高潔の剣』の合間に程近いところにいる。『栄光の扉』が今相手にしているオークを殲滅するまで、ここから入り込む魔物たちを押さえておかなければならない。

「ユリア!」
「はい!」

 ユリアは、こちらに向かって来ようとしているオークの集団の正面に立ち、ベルトから短杖を抜いた。魔術陣に魔力を与えて一陣の風を起こす。それは旋風となって、オークの集団へと突っ込んでいった。

 ガレスは小走りで旋風に慌てふためくオークたちの許へと向かう。ユリアも、短杖をベルトに差した手で片手剣を抜いて、ガレスの後に続く。

 ユリアが放った旋風が、周囲にいるオークの皮膚を斬り裂き、解けるようにして消える。その直後を狙って、痛みに呻くオークの1頭に、ガレスは手にしたままだった大剣を渾身の力を込めて振るった。

 大剣の刃がオークの顎の下に食い込み、ガレスはその首を一気に落とすために振り抜く。その勢いを利用して、右隣のオークの首をも落とす。

 そこで、やっとガレスという敵を認識したらしき左側にいたオークが、ガレス目掛けて両手剣を振り下ろした。ガレスは、何とか手首を返して、それを受け
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