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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#4
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。パーティーやチームの実力を考慮して、実力が高い順に配置しているので───これなら、まだまだ実力がついていない低ランカーたちに無理をさせなくて済む。

 待機場所で配置順に並んでから出発したので、配置につくのにそう時間はかからない。

 ガレスは、とりあえず先頭から中盤辺りまでの配置が完了したことを確認すると───再び、ユリアの名を呼ぶ。

「ユリア!」
「はい!」

 ユリアは、先程同様、左手の掌をメダルに当てる。

 ユリアの魔力を吸い上げた魔術陣が発動して、一筋の旋風が砂の幕に突っ込んでいった。

 砂の幕を蹴散らした旋風はそのまま、未だ状況が理解できずに立ち尽くしているオークたちに向かう。

 すかさず、ユリアが追加で二つ旋風を生み出す。

 旋風は砂の幕を完全に晴らして、前列に並ぶオークを斬り裂いた。

 どの旋風も、肉厚で重量があるオークを傷つけただけで───吹き飛ばすことも、命を奪うこともできなかったが、それでも先制攻撃としては十分だ。

(よし、起ち上がりは旨くいった…!)

 魔術を地面に放って砂利を巻き上げて幕を張り、それを隠れ蓑に陣形を整え、再び魔術を放って砂の幕を吹き飛ばしつつ先制攻撃を加える────この一連の流れは、リゼラの立案だ。

 傷を負って怒りに我を失ったオークが、先頭に立つ『黄金の鳥』、『暁の泉』、『高潔の剣』の3つのBランクパーティーに襲い掛かる。

 さすが、それなりに経験を積んだパーティーというべきか────どのパーティーも動揺することなく、襲い来るオークどもを毅然として迎え撃つ。

 こうして────冒険者と魔物の交戦が始まった。


※※※


 オークが振り下ろした両手剣を、『黄金の鳥』の盾持ち(タンク)役であるベグルが盾を掲げて受け止める。

 正八角形を成す“セルニア鋼”と呼ばれる鋼で造られた盾は、1mに満たない程度の大きさで、重量を少しでも抑えるために平たい帯状のセルニア鋼を蜘蛛の巣状に組み、裏側に魔獣の鞣革が貼られている。

 中央の縦のラインに右方向に開いたフックが4つほどついており、大柄で筋肉質なベグルは、身一つでオークの膂力に耐えながら、盾を少しずつ傾けてオークの剣をそのフックに嵌め込んだ。

「せい…っ!」

 そして、零れた掛け声と共に、渾身の力で以て押し返した。

 オークの両手剣はあまり質の良いものではなかったらしく、ぱきん、と小気味良い音を立てて、あっけなく折れる。

 ベグルに押し返されて、たたらを踏んだオークの腹にベグルが盾を押し込む。バランスを崩していたオークは体勢を保てずに仰向けに倒れた。

 すかさず駆け寄ったドギが、その首に大剣を叩き込む。


 ドギがオークの首を落とし
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