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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第二十七章―双剣―#3
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態だ。今なら、どちらの方向からも背後を()ける。

≪いいと思います≫
≪よろしいかと思います≫

 ディンド卿も【索敵】の情報を共有している。私に次いで、賛成した。

≪セレナ、信号を発信してくれ≫

 信号を送る魔道具は、セレナさんに預けてある。

≪かしこまりました≫

 セレナさんから、了承の【念話(テレパス)】が返ってきた。レド様は、続いて仲間たちへと【念話(テレパス)】で通達する。

≪これより、冒険者や騎士たちとの共闘を開始する≫

 ここからは、なるべく人目も意識していかなければ────私は気を引き締め直して、眼前のオーガに向かって太刀を振るった。


※※※


 主や仲間たちが戦場へと向かい、エントランスホールには、カデア、ラナ、ノルン───そして、エデルが待機していた。

 エントランスホールの中央に立つノルンは、淡い光を身に纏い、隔たれた場所に意識を馳せているためか、瞼を閉じている。

 カデアとラナはノルンを護るように、その傍らに佇んでいた。少し距離を置いて───執事然としたエデルが控える。


 どことなく緊張感が漂う中────それに一番最初に気づいたのは、精霊獣のローリィだった。

「……誰かが来ました」

 カデアの肩に乗ったローリィが、誰にともなく告げる。

 ノルンも察したようで瞼を開け───カデアも、邸の外に異様な気配を感じ取る。

「報告はあった?」
「いいえ。突然現れました」

 【転移港(ポータル)】の監視は、万が一魔物と戦闘せざるを得ない場合も視野に入れ、狼型と豹型の精霊獣が担っている。

 ラムルの下につけられていた栗鼠型やネズミ型の精霊獣は、カデアが預かっていた。

 皇城内の主要個所にて見張りをしてもらっているのだが────この訪問者たちがどの地点も通過した様子がないということは、正規の使者などではないことは明らかだ。

 いずれにしろ、こんな時刻の訪問者など、不穏でしかない。

「玄関ポーチ前の映像を投影します」

 ノルンが告げ、玄関ポーチ前の様子が映し出される。

 映っているのは────邸を囲う、物々しい雰囲気を醸す輩。皆一様に、夜闇に溶け込みそうな昏い色合いの装束に身を包んでいる。

 その立ち姿に────カデアは、見覚えがあった。

「…カデアさん?」

 底冷えしそうな眼差しで映像を見るカデアに気づいたラナが、躊躇いがちに声をかける。

「坊ちゃまの予感が当たったようね。────ラナ、ノルンの護衛を任せます」
「…はい」

 ラナは緊張した面持ちで、応える。

「ローリィ、貴女はラナと共にいて」
「解りました」

「お邸の中へは、おいそれと侵入で
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