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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第二十七章―双剣―#2
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私だ。

 ディンド卿が、地下遺跡の戦いで、魔獣たちがセレナさんを狙っていたと報告していたことを思い出す。ディンド卿と初めて共闘したあの集落潰しでは、魔獣はセレナさんだけでなく私も狙っているように見えたとも言っていた。

 もしかして────魔獣や変異種は、魔力が多い者を率先して襲っている?

 もし、それが正しいなら────レド様が一番狙われるということになる。そう気づいて、私は速攻で片を付けようと決めた。

 変異種たちが動き出す前に、薙刀を太刀へと替えて左手に携え───変異種に向かって奔り出す。変異種が私を潰すために棍棒を持った手を振り被った。振り下ろされた棍棒を、寸前で躱して跳び退(すさ)る。棍棒が地面にめり込み、砂利が飛び散った。

 私は着地点に【重力(グラビティ・)操作(オペレーション)】を発動して、変異種の振り下ろされた腕を目掛け、高く跳び上がった。変異種の左手の二の腕を蹴って、変異種の頭に向かって再び跳ぶ。そして、左手に携えた太刀を振り抜いた。

 前屈みになっていた変異種は首を斬られて、そのまま前のめりに倒れていった。変異種の肩を越えていた私は、背中へと降り立って───鞘に太刀を収める。


 オークの背中から退いて先程の立ち位置に戻りつつ、周囲に意識を向けると───ちょうどレド様とレナスがそれぞれ対峙していた変異種を倒したところだった。

 レド様は、いつかのように変異種の手と足を斬って、地に伏したところで首を斬り落とし───レナスは、【月虹】を駆使して、両腕を落としてから、無防備となった首を斬り飛ばしたようだ。

 ディンド卿とアーシャの方を見れば、振り下ろされた棍棒を迎え討つように、アーシャが双剣で切断して───勢いが止まらず短くなった棍棒を地面に叩きつけ、ほとんど倒れ伏した状態となった変異種の首に、ディンド卿が大剣を喰らわせた。

 ヴァルトさんとハルドの方は───同じく振り下ろされた棍棒を潜り抜けたヴァルトさんが、一閃で変異種の胴体を真っ二つにしたみたいで、地に着いた胴体の首をハルドが斬り落としていた。


 私は視線を正面に戻して、一歩踏み出すと同時に左手に握ったままだった太刀の鞘を払って、右上方向に振り抜く。剣を振り被った体勢のオーガが、首を失って───ゆっくりと仰向けに倒れた。

 私の右側でレド様が、左側ではレナスが、やはりオーガを一撃で仕留め───オーガがその場に崩れ落ちる。

 ジグが【疾風刃(ゲイル・ブレイド)】を発動させて、左側から背後に回り込もうとしていたオーガ数頭を一掃した。

「オーガが出て来たか…」

 大剣を構えたまま、レド様が呟く。私たちがオークの変異種と戦っている隙に、オークは退き、オーガが前線へと出て来たらしい。

「第二
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