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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第二十七章―双剣―#2
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のを思い浮かべるだけで、左右のグローブそれぞれに内蔵された異次元空間に収めた武具を取り寄せたり、反対にしまうことができるのは、【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】や【換装(エクスチェンジ)】と同じだが───収納する空間が魔導機構に接続されている上、武具自体に対の魔導機構を仕込んでいるので、発動速度はかなり短縮することができた。

 同じく魔術の起ち上がりが少し遅いレナス、【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】や【換装(エクスチェンジ)】の使用を控えているアーシャとハルドにも同じものを創って───三人の武具にも同じ魔導機構を仕込んである。

 お邸で待機しているときに、ラムルに相談されて即席で創り上げたものだったけれど、見た限り、不具合などはなさそうだ。


 私は、グローブが旨く機能していることに少し安心しながら、左方向から私たちの背後に回ろうと走り込んできたオークの一団に薙刀を向ける。

 私が立て続けに3頭の首を斬り落とす傍ら、ジグがラムルと同じ大振りの短剣を投げるのと同時に、【疾風刃(ゲイル・ブレイド)】を放って───3頭のオークを屠った。

 右方向からも後ろに回り込もうとしたオークが数頭いたが、そちらはセレナさんの氷刃によって防がれた。

 何頭目かのオークの首を落としたとき、アーシャがオークに囲まれそうになっていることに気づき───私は、薙刀を振るった勢いを利用して、アーシャの方へ身体を向ける。

「ジグ、ここをお願い!」
「御意!」

 ジグの返答を背に、私は地を蹴った。

「【重力(グラビティ・)操作(オペレーション)】!」

 アーシャを囲おうとした5頭のオークが、重そうな音を立てて膝をつく。

 私は薙刀を太刀へと替え、一番近いオークの首を狙って抜き放つ。眼の端に、アーシャが重力に囚われている別のオークへと双剣を振り上げるのが映った。私は刀を下ろすことなく、流れに任せて続けて2頭の首を狩る。

 残り1頭はアーシャに任せて、今度は交戦中のジグの隙をつこうとしているオーク2頭に、左手に持つ鞘に納めた太刀を小刀に替え、右手にも小刀を取り寄せて、頭を狙って投げた。

 小刀ではオークの分厚い肉と頭蓋骨に阻まれ脳幹にまで至らなかったが、足止めには十分だ。私は再び薙刀を取り寄せ、立て続けに2頭のオークの首を刎ね───突き刺さっていた小刀をアイテムボックスに送る。

 休むことなく薙刀を振るいながら、他の仲間たちの様子を窺う。

 どうやら、レド様とレナスには、今のところ援護は必要なさそうだ。

 今回はラムルに、レド様の護衛に徹してもらっているから───レド様に群がるオークはラムルによって間引きされ、レド様が捌けないほどのオークに囲まれることはない。

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