暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第二十七章―双剣―#2
[3/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の正面にいる数頭のオークの首が飛ぶ。

 同時に、レナスが【月虹】を抜き放ち、魔力から成る刃がレナスとアーシャの前方に迫っていた魔物たちを斬り裂いた。首や上半身を失った魔物たちが、その場に崩れ落ちる。

 一方、右側方面には、セレナさんの魔術が降り注いだ。

 先程とは違い、氷刃の大きさが二回りほど大きい。それに、さっきより近距離で標的も絞ったために、氷刃はオークの頭や顔面を貫き確実に命を奪う。

 倒れ伏したオークを乗り越えて近づこうとするオークやコボルトに、私たちは同じことを繰り返す。

 しばらく繰り返していると、コボルトは分が悪いことを察したのか、こちらに向かって来ることをやめたが───オークは凝りもせず、仲間の死体を乗り越えて近づいて来る。

 そうやって、地道にオークの数を減らしていたが───そのうち、コボルトが障害となっている積み重なった死体を、上手く死体の陰に隠れながら、崩したり寄せたりし始めた。

「セレナ、リゼ、ジグ、魔術を控えろ。しばらく物理攻撃中心でいく」

 レド様の命に、私たちは各々了承を返して、手にした得物を構え直す。レナスは手元の【月虹】を、【冥】へと替えた。

 それを好機と見たのか、オークたちが一気に駆け寄って来る。

 私は、一歩前に踏み出て、間合いに入ったオークの首を目掛けて薙刀を振るう。首を落とした勢いのまま薙刀を回転させて、首を失くしたオークの胴体に石突を叩きつける。オークの死体は、真後ろにいたオークを巻き込んで、吹き飛んでいった。

 私は再び薙刀を回転させて、間合いにいる別のオークの首を狙う。

 私の隙をつこうとした他のオークに向かって、アーシャがナイフを投げて牽制してくれる。ナイフはオークの眼を傷つけた直後、アーシャの手元へと戻った。

 オークは動きが鈍く討ち易いものの、体格がいい。そのまま倒れられては、こちらとしても戦いにくくなる。
 今は他人の目がないので、アイテムボックスに収納してしまってもいいが、後のことを考えると得策ではない。

 レド様を始めとした他の仲間たちも、剣や刀で斬っては、倒れ込む前に鞘や蹴りで離れた場所へと飛ばしていた。

 ラムル、ジグ、アーシャは投剣で、ハルドは射撃での援護を───セレナさんは、氷刃の数を減らし範囲を縮小した魔術で、4人の援護が間に合わない箇所のフォローを担っている。

 仲間たちを気にしつつ────私は薙刀を駆使して、とにかくオークの数を減らしていった。

 オークの数が250を切った頃、オークの足が徐々に鈍ってきた。オークが学習したのか、それとも魔獣の指示でもあったのか────少し経つと、近づいて来ることなく、完全に遠巻きにこちらを窺っているだけになった。

 しばらく様子を見ていたレド
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ