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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十七章―双剣―#1
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に、ガレスとエイナに訊ねる。
緩やかに波打つ濃紫色の髪に朱金色の双眸を持つ、女性にしては長身ですらりとした印象のその少女は、救援要請を受けて駆けつけてくれたBランカー冒険者だ。
名をユリアといい、ソロで活動している。
彼女の得物は腰に佩いた細身の片手剣で、肩当と胸当のみの革鎧という身軽な装備から、素早さを活かした戦い方をすることが見て取れる。
実は、このユリアは“ディルカリド伯爵の被害者”の一人で───3年前に魔術師として冒険者となって、ようやく魔獣討伐に携われるようになったところで、見知らぬ老剣士に襲われ魔術陣を強奪されたらしい。
高価な魔術陣を再び購入する余裕はなく、剣士に転向したとのことだった。元々剣術は修めていたそうだが────そんな状態から、しかもサポーターとはいえソロでありながら、2年弱という短期間でBランカーとなったことに驚きだ。
その盗まれた魔術陣が返却されたので、今のユリアは魔術と剣術───両方を扱える。このタイミングでユリアが現れたことは、まさに巡り合わせとしか言いようがない。
今回───ユリアも、ガレスの補佐と護衛を担うことになっている。
「どこか邪魔にならない場所────ああ、あそこがいいな。あそこにまとめて置いておいてくれ」
「解りました」
ユリアはそう言うと、ポニーテールにした濃紫の髪を揺らして、踵を返した。
ユリアが離れていくのを
後目
(
しりめ
)
に、ガレスが次に消すべき焚火に土をかけ始めると───エイナが、予め川の水を汲んでおいた水瓶に近寄り、柄杓でバケツに水を移す。
「それにしても…、パーティーを組んで本格的に活動していた頃じゃなくて────今になって、こんな事態に遭遇するとは思ってなかったわ」
「ああ、そうだな」
ガレスもエイナも、長い冒険者生活の中───数多の魔獣討伐や集落潰しをこなすだけでなく、スタンピードにも幾度か遭遇して殲滅戦に参加している。
だが、こんな事態は初めてだった。
「オーガとオーク、それにコボルトの混成集団…。一体、どんな戦い方になるのかしらね」
「これまで遭遇したスタンピードでは、先頭は比較的弱い個体で固め、真ん中にロードらしき個体、後方は変異体とか比較的強い個体で固められてたよな。それに倣うなら、おそらく、先頭はオークとコボルトで、真ん中に魔獣、後方はオーガになると思うが────どうだろうな」
いかに魔獣に知性があろうとも、オーガとオーク、コボルトに種族を越えて共闘させることなどできるのか────ガレスには疑問だった。だからといって、これまでと同じような戦い方になるとも思ってはいなかったが。
(だが、まあ────リゼの言う通りだ)
相手が混成集団だろうが、やるこ
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