こぼれ話Eガールズトーク?
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「うん…、これは────綺麗に染まってるね」
私は、ラナ姉さんが染めた魔玄を手に取って【心眼】で視る。
それに───見た目が斑なく染まっているだけではなく、魔物の血が鞣革にきちんと融合されている。
「こっちは、ちょっと薄いけど───失敗したの?」
ラナ姉さんが持ってきたもう一つの布地は───私の“失敗作”と似ていて、満遍なく染まってはいるものの血が足りずに、漆黒ではなく、黒に近い灰色をしている。
「あ、ううん。それ、わざとなの。確かにそっちの成功作より耐久性や強度は落ちるかもしれないけど、それでも普通の布よりは丈夫でしょ。アクセントに使えるかなと思って。それか、逆にこっちを地にして、成功作を所々に組み込むのもいいかなって。デザインを工夫すれば、裂けたりすることは防げると思うのよね」
「なるほど」
「そうしたら、少しは真っ黒じゃなくなるじゃない?」
あ───私が黒一色の格好なこと、まだ気にしてたんだ…。
「あとね────布を染めるんじゃなくて、糸を染めたらどうかと考えているの」
「布じゃなくて、糸を?」
「そう。それなら、別の色も組み込むことができそうじゃない?」
「ああ、確かに────“チェック柄”とかならできそう」
「え、何それ。どういうの?」
私は、ラナ姉さんに、前世の世界で存在した“チェック柄”というものについて説明する。
「それ、いいじゃない!創ってみたい!」
ラナ姉さんは興奮して、眼を煌かせた。その心底から楽しそうな様子に、私も嬉しくなった。
「それじゃ、まずは糸を染めるのを成功させなきゃ。ね───リゼ、糸を染められるようになったら、機織りを習わせてくれない?」
機織りか。サヴァルさんが抱える織物工房でなら、修行させてもらえるかな。
「解った。あ───でも、まずレド様に許可をとってからね」
「うん!ありがとう、リゼ」
◇◇◇
ラナ姉さんが【魔力循環】をするのを視て、幾つかアドバイスをした後───私たちは休憩を取ることにした。
例によって、【遠隔管理】で温かいお茶の入ったポットと作り置きしておいたお菓子を取り寄せる。
ラナ姉さんは、カップアンドソーサーだと割ってしまわないか心配になるらしく、お茶を楽しめないとのことなので、ラナ姉さんのために創っておいたマグカップを取り寄せた。
「このマグ、いいわね。形も、色も────すごく、いい」
「あ、気に入ってくれた?」
「え───もしかして…、リゼが創ってくれたの?わたしのために?」
「うん」
ラナ姉さんは自分の持ち物などは、どちらかというと、パステルカラーのような明るい原色より、
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