こぼれ話Cそれは───こうして始まった
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ノルンは、リゼラの腰にしがみつき、ルガレドに向かって叫ぶ。
「駄目だ。リゼは、もう少ししたら、俺と寝室を共にするようになる。今から、ちゃんと自室で寝るように習慣づけろ」
ルガレドの言葉に、リゼラは顔を真っ赤に染めて絶句する。
このままではマズいと悟ったノルンは、しがみつく手に力を入れて、リゼラを見上げた。
「主リゼラ───主ルガレドと一緒に眠るときは、自分の部屋で眠ります。だから…、それ以外の夜は一緒に寝てもいいでしょう…?」
ノルンが目を潤ませて訴えると、リゼラは一瞬、うっ、と言葉を詰まらせてから────ルガレドへと視線を向けた。
「レド様…、ノルンもこう言っていますし───レド様と、その…、寝室を共にしない日は、ノルンが私と一緒に眠ることを許してはいただけませんか?」
「リゼまで────何を言っている。寝室を共にしない日なんてあるわけがないだろう」
「はい?」
「結婚したら、毎日、寝室を共にするに決まっているだろう」
「え、ええっ?いえ、だって────王侯貴族の場合、そ、その…、夫婦の営みがあるときだけ夫婦の寝室で────それ以外の日は、それぞれの寝室で眠るって────」
「他人のことはどうでもいい。俺はそうするつもりはない。結婚したら、毎日、一緒の寝室で眠る」
「え、そんな────毎日って」
リゼラは再び顔を真っ赤にして、狼狽える。
「主ルガレド、我が儘を言わないでください!主リゼラを独り占めしようなんて、ズルいです!」
「リゼは俺のだ。独占するのは当たり前だ」
「そんなことないです!」
「ちょ───二人とも」
こうして、ノルンとルガレドのしょうもない戦いの火蓋は切って落とされ───レナスに呼ばれたカデアにより一時中断したものの───それは長期に渡って何度も勃発したのだった…。
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