こぼれ話Aレシピと硝子ペン
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まって」
多分、私の手に合わせて、微妙に形が変わってしまっているはずだ。
「そんなこと気にするな。使ってくれた方が、母上もきっと喜ぶ。俺も、リゼが使ってくれる方が────嬉しい…」
「レド様…」
「それに────贈ったといっても、幼い頃のことだからな。爺様が、邸に商人を呼んでくれて────俺は、選んだだけなんだ。支払いも爺様がしてくれた」
レド様は、そのときのことを思い出しているのか───懐かしそうに語る。
「でも────レド様が、お母様のことを想って…、選んだものでしょう?」
私がそう返すと、レド様は優しい眼差しで私を見る。
「ああ。だから…、リゼが気に入ってくれて────使ってくれるのが、嬉しいんだ」
レド様のその言葉に───想いに、胸が熱くなった。
「きっと────大事に使います」
後で、きっちり【防衛】をかけておこう。万が一にも、割れたり欠損したりすることがないように。
レド様は、嬉しそうに笑みを浮かべると、身を屈ませて私に顔を寄せる。私は、そっと瞼を閉じた────
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