暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─設定&こぼれ話─
こぼれ話Aレシピと硝子ペン
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
まって」

 多分、私の手に合わせて、微妙に形が変わってしまっているはずだ。

「そんなこと気にするな。使ってくれた方が、母上もきっと喜ぶ。俺も、リゼが使ってくれる方が────嬉しい…」
「レド様…」

「それに────贈ったといっても、幼い頃のことだからな。爺様が、邸に商人を呼んでくれて────俺は、選んだだけなんだ。支払いも爺様がしてくれた」

 レド様は、そのときのことを思い出しているのか───懐かしそうに語る。

「でも────レド様が、お母様のことを想って…、選んだものでしょう?」

 私がそう返すと、レド様は優しい眼差しで私を見る。

「ああ。だから…、リゼが気に入ってくれて────使ってくれるのが、嬉しいんだ」

 レド様のその言葉に───想いに、胸が熱くなった。

「きっと────大事に使います」

 後で、きっちり【防衛(プロテクション)】をかけておこう。万が一にも、割れたり欠損したりすることがないように。

 レド様は、嬉しそうに笑みを浮かべると、身を屈ませて私に顔を寄せる。私は、そっと瞼を閉じた────

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ