こぼれ話@トンカツリベンジ
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せていく。
次は、ご飯とお味噌汁だ。
今では、レド様も、ジグとレナスも───お箸だけでなく、ご飯茶碗と木のお椀を使っている。
皆の分のご飯とお味噌汁をよそっていると、何だか懐かしいような───不思議なような気分になって、私は口元を緩めた。
「リゼ?」
「あ、ごめんなさい、レド様。何でもないんです」
ジグとレナスの分は、私が【潜在記憶】から創り出した───“給食”のときに使うようなスクエア型の一人用のお盆に、それぞれ載せる。
これまた【潜在記憶】から創り出した、二つの小さな“お醤油さし”にお醤油を入れると、ジグとレナス用に一つだけお盆に置いた。
「ジグ、レナス、夕飯ができたので、取りに来てください」
私が声をかけると、すぐさま、ジグとレナスが目の前に現れた。
「やった、トンカツだ」
レナスが嬉しそうに満面の笑みを浮かべて、言う。レナスのその様子に私も嬉しくなったが────表情に出さないように気を付ける。
私はお盆を持ち上げ、レナスの方が近かかったので、それをレナスに渡そうとすると────横からジグがさっとお盆を取り上げた。
レナスが、ちょっと怪訝そうにジグを見る。
「ありがとうございます、リゼラ様」
ジグはレナスの視線など気にせず、いつもより少し柔らかい声で、私にお礼を言った。
どうやら、ジグはレナスに渡そうとしたトンカツの方が良かったようだ。
なるべく大きさを揃えたつもりだったけど、ジグには違って見えたのかもしれない。
「いえ」
レナスほどではないにしても、嬉しそうな雰囲気を醸すジグに───笑みを零してしまわないよう、ただ頷いた。
レナスにも、残った方のトンカツを渡すと、レナスはすごく嬉しそうに受け取ってくれた。
「ありがとうございます、リゼラ様」
「いえ」
私は、ただ首を振る。
「ジグ、レナス?俺も一緒に作ったんだが?」
レド様が不満げに、口を挟んだ。
「どうせ、ちょっと手伝っただけでしょう。それに、オレたちの食材はリゼラ様が負担してくれているはずですよ」
レナスは、ジト眼でレド様に返す。
「そんなことないですよ。レド様には覚えてもらうつもりで、色々とやってもらいましたから」
「…そうなんですか?まあ、リゼラ様がそう言うなら────ありがとうございます、ルガレド様」
「何か、不服そうなのが気になるが…、まあ、いい」
レド様がジグに視線を向けるが────ジグは何も言わない。
「ジグ?」
痺れを切らせたレド様が声をかけると、ジグはしれっと答えた。
「自分のは、リゼラ様が作ってくださったトンカツで
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