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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十六章―黎明の皇子―#10
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て言葉にした。

 レド様は嬉しそうに微笑んでくれて、私の方へと右手を伸ばす。

「ルガレド様?────リゼラ様に何をなさるおつもりで?」
「今はオレたちがお傍にいることをお忘れなく」

 ジグとレナスにジト眼で制されて、レド様はちょっと拗ねたような表情で、しぶしぶ右手を引っ込めた。

 そういえば、二人はカデアから私を守るよう言われているんだっけ。私は苦笑しつつレド様から視線を外して、ジグとレナスに向ける。


 今回、ジグとレナスは“影”としてではなく、私の配下として討伐に参加することになっている。

 そのため、いつものような化粧はしていない。劇的に顔の造作が変わったわけではないけど、印象がはっきりしていて何だか新鮮な感じがした。

 レナスは精悍な顔つき、ジグは中性的な顔つきで────タイプは違うものの、どちらも整った顔立ちをしているのが判る。“影”でなかったら、二人ともさぞかしモテていたに違いない。


「とにかく、下りましょうか」

 階下のエントランスホールを見遣ると、すでに仲間たちが集まっている。

「そうだな」

 レド様と共に階下へと向かう。ジグとレナスが数歩後をついて来る。

 自然と、下り立った私たちを囲うように、仲間たちが並ぶ。

 ジグとレナスのみならず───ラムル、ディンド卿、ヴァルトさん、ハルドも、レド様と同じデザインの衣装を身に纏っている。

 アーシャは───ビスチェアーマー、アームボレロ、チョーカー、キャミソール、ショートパンツは私と同じデザインのものを身に纏っているけど、靴はいつものショートブーツで、黒いニーハイソックスを穿いている。

 セレナさんは───デザインは同じだが素材の違うビスチェに、揃いのアームボレロを羽織り、踝まであるロングフレアのスカートに、アーシャと同じ支給品のショートブーツだ。勿論、私たちと同じチョーカーとキャミソールを身に着けている。

 それから、二人とも、チョーカーと揃いのレースに縁どられたヘアバンドも巻いている。

 セレナさんのヘアバンドには、秘かに【認識妨害(ジャミング)】を施してある。もし、また髪色が変わるようなことがあっても、それを仲間たち以外の者に認識されないようにだ。

 セレナさんの髪色が変わったことに関しては、まだ解明できていない。その原因も変わる条件も解らない以上どうしようもないので、せめて認識されないように用心するしかない。


「皆、準備はできているようだな」

 レド様が仲間たちを見回して、口を開いたときだった。

≪姫────魔物たちが動き始めました≫
≪集落から街道へと次々に出て行っています≫
≪集落から出た魔物たちは、壁に向かって進んでいます≫

 精霊獣たち
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