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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十六章―黎明の皇子―#9
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昼下がりに冒険者ギルドでの緊急会議を終えて、その後も諸々の手配をして────お邸に帰り着いたときには、もう日が沈んでいた。
いつものように、ラムルとハルド、それにエデルが出迎えてくれる。
「ラムル、忙しいところ悪いが────至急、全員をダイニングルームへと集めてくれ」
カデアたちは、今頃、夕飯の支度をしている最中だろう。レド様は、少しすまなそうに命じる。
「かしこまりました」
ラムルは、恭しく礼をすると、ハルドとエデルに目配せをして、二人を従えて歩き出した。
レド様と私、ディンド卿、ジグとレナスは、連れ立ってダイニングルームへと向かう。
「すまないな、皆───ろくに休憩をとらせてやることができなくて」
「いえ───今は緊急事態なんですから、お気になさらないでください。それに、休めていないのはレド様も同じではないですか」
「リゼラ様の仰る通りです。どうか、そのようなことはお気になさらぬよう」
そんなことを話しているうちにダイニングルームに辿り着く。ラムルもハルドも伴っていなので、私はレド様のために上座のイスを引く。
「ありがとう、リゼ」
レナスがレド様の後ろに控えた。ディンド卿は、上座に一番近い位置のイスを自分で引いて座る。
私は、ティーセットを取り寄せて、ポットに予め淹れてあったハーブティーをカップに注いで───レド様とディンド卿の手元へと置く。
「ありがとう」
「ありがとうございます、リゼラ様」
レド様とディンド卿のお礼の言葉に頷いてから、私は自分の席────ディンド卿の向かい側に座る。すかさず、ジグが私の後ろに立つ。
レド様が、さっと私の手元へと視線を走らせた。自分のお茶は淹れるつもりはなかったけど、心配性のレド様が眉を寄せてこちらを見ているので、仕方なく揃いのカップとソーサーを取り寄せて自分の分も淹れる。レド様は眉間を緩めて、カップを持ち上げ口をつけた。
三人ともが温かいお茶を含み、人心地ついた後───ディンド卿が口を開いた。
「ルガレド様、リゼラ様───確認させていただきたいことがあるのですが」
「何だ?」
「今回の件、お二人が全力を出したなら────殲滅させることができるのではありませんか?」
「そうだな────おそらく…、ただ殲滅するだけならば────可能だろう」
レド様は考えながら、ディンド卿の疑問に答える。
「俺もリゼも、共有魔力やノルンを通して精霊樹の魔素まで使って、広範囲に及ぶような大規模な攻性魔術を連発するなら────それこそ一人でも殲滅はできるだろう。だが、それは最終手段だ。それをしてしまえば────現状では、俺たちは姿を隠さなければならなくなる」
私たちが───いえ、第二皇子
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