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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十六章―黎明の皇子―#7
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らファルお兄様に意識を戻して、慌てて頷く。
「リゼ、」
そんな私の様子にレド様が気づかないわけがなく、レド様が私に何か言いかけたとき────扉が開いた。冒険者たちを引き連れたガレスさんとバドさんが、室内へと入って来る。
レド様を目にした冒険者たちが驚愕に眼を見開く。
レド様も私も、ギルドに向かう道中は普段着を纏っていたものの───この大会議室に入る直前、服装を緊急会議で身に着けていたものに再び替えていた。レド様は瞳も元の色に戻しているので───その正体は、言わずとも知れる。レド様をBランカー冒険者として見知っている者には驚きも
一入
(
ひとしお
)
だろう。
「お待たせしてしまい、申し訳ない」
「…いや────それでは、会議を始めよう」
レド様は、私への言葉を呑み込み────そう告げた。
◇◇◇
「まずは───こうして集まってくれたことに礼を言う。今回、陣頭指揮を執ることになった───ルガレド=セス・オ・レーウェンエルダだ」
レド様は冒険者に視線を向ける。
「冒険者の中には、経験の浅い俺が指揮を執ることに疑問を覚える者もいるだろうが───今回の集落潰しは異質なため、騎士や貴族との共闘となる。よって───皇子である俺が陣頭指揮を執ることとなった。Sランカーである“双剣のリゼラ”が、俺の補佐としてつく。“双剣のリゼラ”は、俺が命を預けた親衛騎士であり───最も信頼する人物だ。俺がリゼラの提言を無下にするようなことは絶対にない。だから───そこは安心して欲しい」
そこで言葉を切り───レド様は、私とは反対隣に佇むディンド卿に視線を遣った。
「それから、この───Bランカー冒険者であるディドルも、俺の補佐としてつく」
視線を正面に戻して、続ける。
「ディドルは、ドルマ連邦では名の知れた傭兵だ。隊を率いての集落潰しや魔獣討伐を幾度も任され、いずれも成し遂げている。このディドルもまた───剣の腕はさることながら、見識も経験も具えた───俺が信頼を置く人物だ」
レド様の言葉には感情が籠っており、ディンド卿が静かに感極まっていることが覗えた。
「今回の件は、前例のない未曽有の事態だ。不安な者も多いだろう。だが…、この皇都に暮らす民や滞在する者だけでなく、近隣の街や村に暮らす者たちのためにも────絶対に殲滅しなければならない。どうか、その力を貸してもらいたい」
真摯にそう頼むレド様に、貴族たちが一斉に右手を胸に置いて頭を垂れる。冒険者たちも頭を下げこそしなかったが、表情を引き締めて頷くように顎を引いた。
「こちらの戦力を把握することから始めるつもりだったが────ガレス。何か、伝えたいことがあるようだな。魔物に動きでもあったか?」
ガレス
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