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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十六章―黎明の皇子―#5
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 冒険者ギルドから戻ると────案の定、午後に行われる緊急会議に、レド様にも召集がかかっていた。

 侍従が迎えに来ることになっているので、それまでに準備しておかなければならない。

 レド様と私は、早めに昼食を済ませて、それぞれ準備に取り掛かった。

 夜会やお茶会のようにドレスアップはしないが───皇子の親衛騎士として、相応の身なりを整える必要がある。

「うわぁ…、リゼ姉さん、カッコいい…!」

 ラナ姉さんが作ってくれた───漆黒のベストを着て、ベストと揃いのショートコートを羽織った私を見て、アーシャが何だか恍惚とした表情を浮かべて言葉を漏らした。アーシャの隣で、ノルンがコクコクと激しく頷いて同意している。

 ベストの下には、控えめなシャーリングが施された白いスタンドカラーのシャツを着込み───首元に白いアスコットタイを巻いて、ファルリエムの模造章を留め───それに、いつものショートパンツとサイハイブーツを合わせている。

「それにしても───ラナ姉さん、また腕を上げたんじゃない?」

 魔玄のショートコートとベストにはパイピング───それと、コートの二の腕部分にレド様の個章が、銀糸の刺繍で施されている。

 礼服同様、それは繊細で一糸乱れておらず───とても人の手で刺したものとは思えない出来だ。

「褒めてもらったところ悪いけど───実は、それ【刺繍】っていう【技能】のおかげなの。糸と服か布を用意して、図案を思い浮かべるだけで───こう…、一瞬で刺繍された状態になっちゃうのよね」

 ラナ姉さんは複雑な表情で応える。

 “技能”は、自分の技術が昇華して成るものだとラナ姉さんも知ってはいるものの───自分の手を動かすことなく簡単にできてしまうというのは、手抜きみたいに感じられるのかもしれない。

「化粧は───うっすらとだけど、すでにしてるのね」

 ラナ姉さんに訊かれて、頷く。

 これまでは特別なときだけメイクをしていたけど───古代魔術帝国の化粧品でメイクをすれば、顔面を攻撃から護れるので───最近は、普段からナチュラルメイクを施すようにしている。

「夜会やお茶会というわけではないし、別にやり直さなくてもいいわね。髪はハーフアップでいいとしても、ちょっと編み込みを入れようか。座って、リゼ」
「解った」

「手伝ってくれますか、セレナさん────セレナさん?」

 ラナ姉さんが困惑した声音で、セレナさんを呼ぶ。

 振り向くと───セレナさんが、何故かアーシャと同じような恍惚とした表情で私を見ていた…。



 支度を終えて、応接室へと赴くと────ソファに座ったレド様にカデアがお茶を出しているところだった。

 レド様の後ろには、侍従の格好をした
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