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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十六章―黎明の皇子―#5
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ルドや冒険者たちが、皇都民に危険が及ばないよう配慮するのは、ここで活動する冒険者の半数以上が皇都出身であることが大きく───その心情を汲み取ったガレスさんやバドさんの好意なのだ。
すべてではないが、支部によっては、もっとドライでビジネスライクだ。
そもそも、この国では魔獣や魔物の討伐が冒険者の主な仕事となっているけれど───冒険者とは元々、一攫千金を夢見て、古代魔術帝国の遺産を探し求める者たちのことで───依然として、それを目的としている冒険者も少なくない。
「この皇都に暮らす民を護るのは────お前さんたち国の責務だ。オレたち冒険者じゃない」
ガレスさんが、淡々と───でも、確固たる声音で告げる。
しかし、それが返って癪に障ったようで、ビゲラブナ伯爵は喚き散らす。
「くっ、冒険者風情が偉そうに…!!お前らなんかこの国から追い出してやってもいいんだぞ…!?」
「オレたちを追い出したら、困るのはお前さんの方だ。まあ、その前に、お前さんなんぞに冒険者ギルドを追い出すことなど出来やしないがな」
「な…っ」
ビゲラブナ伯爵の顔が、これ以上ないくらいに赤く染まる。
ガレスさんは、もう話は済んだとばかりにビゲラブナ伯爵から目線を逸らして、席に座り込んだ。
「さて────ビゲラブナ伯爵。これで事態と自分の立場を理解できたかな?
できたのなら────是非とも、防衛大臣としての責務を果たしていただきたいのだけどね」
何を言うつもりだったのか、ガレスさんに向かって口を開いたビゲラブナ伯爵を、おじ様が遮る。
微笑みを湛え、口調も柔らかかったが───おじ様には有無を言わせない迫力があった。
「さあ────会議を始めるとしましょう」
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