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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十六章―黎明の皇子―#5
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せに来た侍従とは別人で───その態度や【
心眼
(
インサイト・アイズ
)
】で視た限りではまともそうではあったが、案内されたレド様の席は、上座のそれではなく、限りなく上座に近い───つまりテーブル席の端だった。
「………」
隣には、いつもより小綺麗な格好をしたガレスさんが───向かいには、イルノラド公爵が座っている。
この席順は、誰の指示で、どういう意図があるのか────正直、この段階では測りかねた。
イルノラド公爵の視線を感じたが、そちらには眼を遣らず、気づかない振りをする。
レド様が腰に提げていた片手剣をハルドに差し出し、ハルドは両手でそれを受け取る。レド様がイスに腰を下ろしたので、私はハルドと並んでレド様の後ろに控えた。
私は背を壁に預ける形となり────この部屋の幅が縦に比べると狭いのはこのためか、と納得する。
この狭さでは、剣を振り回すことも、上座に攻め寄ることも難しい。そして、招かれざる者が潜んでいることもできないだろう。
まあ、ジグとレナスは、私とハルドを挟むようにして、堂々と?潜んではいるけど。
レド様に近い上座の下段の席には、おじ様がすでに座っている。ロヴァルさんはおじ様の背後に控えることはできないので、真横───つまり私と同列の位置に佇んでいた。
イルノラド公爵の隣に座る厳つい男は───十中八九、件のガラマゼラ伯爵だろう。となると、あちら側は騎士団関係で並んでいるのかな。
ガラマゼラ伯爵の反対側の隣席には誰も座っていない。私の予想が正しければ、彎月騎士団団長の席のはずだ。
以降のテーブル席の者たちは、服装から見るに───文官か、あるいは貴族のようだ。貴族は、主だった者だけが呼ばれているらしい。
参加者はあらかた揃っているみたいで、まだ来ていないと思われるのは、皇族と────防衛大臣だ。
この会議の議題のせいか、部屋の空気は張り詰め───私語を交わす者は一人としておらず、しんと静まり返っていた。
おかげで、今のところは、懸念していたような
悪口雑言
(
あっこうぞうごん
)
は聴かずに済んでいる。
不意に、6つある扉の一つが開かれた。扉は左右に3つずつ設えられていて、開いたのは、向かい側の真ん中の扉だった。
扉の位置や服装から見ても、招き入れられた男は貴族に違いない。侍従は、扉近くの席へと、その男を導く。
「おい、これはどういうことだ?」
男は案内された席には着こうとはせず、ただ不満そうに声を上げた。男にしては甲高いその声は、静かなこの空間では、やけに大きく響いた。
派手なコートを纏うその男は、初老といっていい年齢であったが───白髪が混じり始めた茶色い髪や髭はよく手入れされていて艶やかで、肌
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