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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十六章―黎明の皇子―#4
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ガレスさんの応答が返って来た。
「入ってくれ」
「失礼します」
「わざわざ来てもらって悪いな、リゼ、アレド」
そこには、ガレスさんだけでなくバドさんもいて────二人は向かい合ってソファに座っていたが、バドさんがガレスさんの横に移動してくれた。
レド様と私は、ガレスさんたちと挨拶を交わしてから、つい先程までバドさんが座っていたソファに並んで腰を下ろす。
「それで────状況は?」
「さっき、警告に行かせたパーティーがダウブリムの街から帰って来た」
ダウブリムの街とは、東門の正面へ伸びている街道の先にある街だ。
楕円形を成すヴァムの森は、その正面に伸びる街道に沿って広がっており、【
転移港
(
ポータル
)
】からもすぐに出られる。
おそらく、ダウブリムの街から皇都へ向かった────あるいは皇都からダウブリムの街へと向かった冒険者や商人が、この街道で被害に遭っているのではないかと私たちは考えていた。
「リゼの───予想通りだ。ダウブリム支部から預かった護衛依頼の記録をざっと確認しただけでも───日数から考えて、すでにこちらに辿り着いていないとおかしいものが幾つもあった。どれも小規模の商隊や行商人ばかりだ」
「…そうですか」
「冒険者や商人だけでなく、念のため、ダウブリムの街の住人にも、街道を使わないよう警告をしてある。それと、近隣の幾つかの支部に援助要請をした。準備が調い次第、駆けつけるとの返答はもらっているが────今の時期は何処も人手不足だ。どれくらい援助が得られるかは判らない」
「皇城から連絡は?」
話が途切れたところで、レド様がガレスさんに訊ねる。
「午後に登城するよう要請が来た」
ガレスさんは、溜息混じりに答えた。
ガレスさんのその答えに────レド様は眉を寄せる。
「午後か…。この事態への対応にしては────随分、遅い」
「リゼが書類を作成してくれたおかげで、昨日の昼前には報告を上げることができたんだがな。事の重大さを理解していないとしか思えん」
今度はレド様が溜息を吐いた。
「理解していないのだろうな。おそらく───騎士団は当てにはできない」
バドさんが沈痛の面持ちで口を挟む。
「……やはりか」
「皇王陛下が“デノンの騎士”を動かしてくれるとは思うが───確実とは言えない。最悪、冒険者のみでの対応となることも考えておいた方がいい」
「そうか…」
眉間にしわを寄せて呟いたバドさんに代わって、ガレスさんがレド様に向かって口を開いた。
「アレド、この件でのお前さんの立ち位置はどうなる?」
「これも、おそらくだが────俺は皇子として駆り出される。それも、陣頭指揮を任される可能性が高い」
「
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