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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十六章―黎明の皇子―#4
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ことはできるか?」

「それは────ちょっと難しいですね。この【転移港(ポータル)】という施設は、研究都市───あの地下遺跡の管理下にはありませんので、ノルンに遠隔で操作してもらうことは不可能です。ですから、魔導機構を停止させるには───私かノルンが、直接、魔導機構に接触する必要があります。ですが───集落に潜り込むことはできたとしても、魔物や魔獣に気づかれずに停止させるのは難しいのではないかと思います。
それならば…、また地下施設の【魔素炉(マナ・リアクター)】を稼働させて───魔素を減少させる方がいいかもしれません…」

 出来るだけ思考を廻らせて答えたけれど────前回の結果が頭を過り、私は以前のように力強く言い切ることはできなかった。

 それに────この方法だと懸念もある。

「ただ────魔素を減少させ続けることには不安があります。この一件が長引けば────この森の薬草などは勿論、近辺の農村にまで効果が及んだら農作物にも影響が出ることも考えられます」

 獣よりも魔物や魔獣の肉の方が美味で栄養価が高いように───農作物も、魔素がふんだんに含まれている方が味や栄養価が良くなる。

 それに、大抵の植物や農作物は、ある程度の魔素がなければ育ちが悪い。

 つまり────不作になることもあり得るのだ。

 レド様は、私の言葉を受けて、ちょっと考え込んでから────口を開く。

「魔素を減少させ続ける弊害についてのリゼの懸念は理解した。だが───やはり、【隠蔽(ハイディング)】の発動を阻止することを優先すべきだな。長引かせるつもりは毛頭ないが────もし長引いてしまった場合、そのときに対応を考えよう」
「解りました」

 私が頷くと、レド様は改めて口を開いた。

「では───【隠蔽(ハイディング)】の発動を阻止するために、地下遺跡の【魔素炉(マナ・リアクター)】を稼働させて、魔素を減少させることにする」


◇◇◇


 冒険者ギルドに着いたのは、通常なら、すでに閑散としている時間帯だったが────今日は様子が違った。

 混雑とまではいかないまでも、ギルド内には幾人もの冒険者たちが待機している。皆一様に緊張した面持ちで、漂う雰囲気もピンと張っている気がした。

「あ───リゼさん、アレドさん」

 受付に近づいた私たちに、セラさんが声を上げる。

「おはようございます、セラさん」
「おはようございます、リゼさん。────ギルドマスターが応接室でお待ちです」

 私たちが来たら、すぐに通すようガレスさんに言われていたのだろう。私たちは挨拶もそこそこに、セラさんに促されるまま、応接室へと向かう。


 階段を上り、応接室の扉をノックすると───間髪入れずに
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